番組によっては除外が出ているメイクデビュー。先週の除外で驚いたのは、10月28日の新潟ダート1200m。フルゲート15頭のところに13頭が除外されるという状況だった。

　その前日に京都ダート1200mで行われたメイクデビューは除外こそ出なかったが、フルゲートの16頭。短距離ダートの番組は豊富なように見えるが、現在一番混雑しているのが、この路線かも知れない。

【11月3日(土)　京都芝1800m】

◆ラヴズオンリーユー(牝、父ディープインパクト、母ラヴズオンリーミー、栗東・矢作芳人厩舎)

　全兄は2016年にドバイターフで海外G1を制したリアルスティール、同じく全兄のラングレーは芝で6勝と活躍。それを考えると、2017年セレクトセール1歳で牝馬ながら1億7280万円(税込)と高額取引になったのも仕方ないところだろう。

　本馬は10月3日にノーザンFしがらきから栗東へ入厩して、12日にはゲート試験に合格。翌週には栗東坂路で追い切って、4F54.4秒を馬なりでマークしており、極めて順調に調整が進んでいる。10月25日のCWではホウオウドリームに先行する併せ馬で最後は同入。一杯に追う相手に対して、こちらはほぼ馬なり。6F83.5秒は初めてトラック馬場で追い切ったことを思えば、十分評価できる時計。あとはレースでどんなパフォーマンスを見せてくれるかだけ。

◆ヒルノダカール(牡、父ヴィクトワールピサ、母タイムフェアレディ、栗東・北出成人厩舎)

　半兄ウインガナドルは芝2000mで2勝を挙げ、セダブリランテスの勝ったラジオNIKKEI賞で2着という実績がある。母父メジロマックイーンということで渋めの血統だが、調教を見ていてもそんなところを感じる。

　当初の追い切りではさほど目立つところもないと思っていたが、10月18日のCWで新馬と併せて、6F80.2秒と好時計をマーク。馬場の内目を回っていたことがその要因かと思ったが、翌週24日のCWでも併せ馬に先着。3馬身ほど追いかけて、最後は相手を置き去りにするパフォーマンスだった。時計は6F81.9秒と18日よりも数字は遅くなっているが、外目を回ったことや少し時計が出にくい馬場状態だったことを思えば、同じかそれ以上の動きを見せている。切れるというよりも渋太く伸びる印象だった。鞍上は松田大作騎手が予定されている。

【11月4日(日)　京都芝1600m(牝)】

◆サヴォワールエメ(牝、父ダイワメジャー、母ニアメ、栗東・友道康夫厩舎)

　きょうだいには阪神ダート1800mで1勝を挙げているミラクルユニバンス(父ヴィクトワールピサ)。近親を調べても、日本で走った馬に目立った活躍馬はいないが、2017年セレクトセール1歳では、牝馬にして3348万円。ダイワメジャー産駒でこの価格はどんなものだろうと思っていたが、追い切りを見れば、これが安く思えてしまうくらい。

　まず驚いたのは、10月4日のCWでの追い切り。遥か前方に走るジュンスパーヒカルを追いかけたが、前半からスピードに乗っていき、速いラップを刻んでいく。ゴールではきっちり追いついて、時計は6F78.6秒。新馬としては破格の時計だし、その後も好時計を連発。1週前追い切りにはレースでも騎乗予定のM.デムーロ騎手が跨って、終い重点だったが、1F12.0秒で鋭い伸び。スピードのコントロールができるようになってきており、これなら自在に立ち回ることができそうだ。

【11月4日(日)　京都芝2000m】

◆アドマイヤコースト(牡、父キングカメハメハ、母アドマイヤカンナ、栗東・友道康夫厩舎)

　父がディープインパクトの半兄、アドマイヤスカイとアドマイヤジョラスはそれぞれ芝で2勝を挙げている。母系にはアドマイヤフジ(父アドマイヤベガ)、アドマイヤデウス(父アドマイヤドン)なので、まさにアドマイヤ血統。

　本馬は9月15日にノーザンF天栄から栗東へ入厩。10月4日のCWでは6F79.3秒と速い時計を出し、翌週も同じような時計をマーク。その後は終い重点の追い切りになって、全体の数時は少し遅めだが、終いはきっちりと伸びている。京都競馬場で良績を残す血統でもあり、この舞台でどんなパフォーマンスを見せてくれるか楽しみなところ。鞍上は岩田康誠騎手が予定されている。

(取材・文：井内利彰)