鞍上は和田竜二騎手が予定されているファインスティール(写真、撮影:井内利彰)
今週は冒頭で取り上げておきたい、血統的に注目な馬が1頭。それが12月16日の阪神芝2000mでデビューするシャイニープレット(栗東・松永幹夫厩舎)。オールドファンなら母スプリングネヴァーの名に聞き覚えがあるはずで、半兄に2000年のスプリングSなどを勝ったダイタクリーヴァ(父フジキセキ)がいる血統。
この半兄に騎手として騎乗したことがあるのが、松永幹夫調教師。2000年鳴尾記念、2001年京都金杯と重賞で勝利に導いている。「そんな縁もあって、預からせていただくことになりました」と同師。
その鞍上には、2002年京都金杯で勝った時の騎乗している武豊騎手。兄に騎乗経験のある騎手2人が調教師と騎手という立場で弟のデビュー戦を迎えるというのは血統のロマンという気がする。
【12月15日(土) 阪神芝1600m】
◆ファインスティール(牝、父Shanghai Bobby、母Steel Courage、栗東・高柳大輔厩舎)
父は現役時代にブリーダーズCジュヴェナイルを勝っており、2017年から産駒がデビュー。今年の2歳が2世代目になり、2019年から日本で供用されることになっている。
日本での産駒数も少なく、高柳大輔調教師も「馬場や距離など、どこに適性があるか未知ですね」と苦笑いするが、追い切りでの動きは目立っている。11月7日の栗東坂路では4F52.4秒をマーク。この時はラスト1Fが13.7秒と時計を要していたが、12月5日の坂路では4F52.5秒と全体が速い上、2F24.6秒でまとめている。これには「やっぱり動きますね」と同師。まずはこの条件でどんな走りを見せてくれるか楽しみ。鞍上は和田竜二騎手が予定されている。
【12月15日(土) 中山芝1800m】
◆カイザーミノル(牡、父ロードカナロア、母ストライクルート、栗東・北出成人厩舎)
父ロードカナロア。初年度産駒から牝馬三冠にJCを優勝したアーモンドアイ、マイルCSを優勝したステルヴィオといったG1ホースを輩出し、現2歳世代でも小倉2歳Sを制したファンタジスト、新潟2歳Sを制したケイデンスコールと、その勢いはとどまるところを知らない。
「まだ緩い」と北出成人調教師が話す本馬だが、11月28日のCWでは古馬500万下との併せ馬で3馬身ほど先着。5F66.4秒、1F12.0秒と水準以上の時計をマークしているが、12月5日には更に時計を縮めて、5F65.1秒。終いは1F12.0秒でまとめており、週を追うごとに良くなっている。なお鞍上は2週続けて追い切りにも跨っている、池添謙一騎手が予定されている。
【12月16日(日) 阪神芝2000m】
◆ルデュック(牡、父ハーツクライ、母ヒッピー、栗東・池江泰寿厩舎)
母は現役時代にヴィシー大賞典(芝2000m)など、フランスで6勝を挙げている。ちなみに母父Muhtathirはジャックルマロワ賞を勝っている。
本馬は11月23日にノーザンFしがらきから栗東へ3回目の入厩。これまでと変わらず、栗東坂路とCWを併用しての仕上げだが、これまでに比べて、坂路での時計の出方が楽になっている印象。CWでも古馬1000万下を相手に互角以上の動きを見せている。最終追い切りを経て、更に良くなってきそうなだけに、この舞台でデビューしてのパフォーマンスが楽しみ。鞍上はC.ルメール騎手が予定されている。
【12月16日(日) 阪神芝1400m(牝)】
◆ミッドナイトラヴ(牝、父ロードカナロア、母ミッドタウンレディ、栗東・松永幹夫厩舎)
祖母は松永幹夫調教師が騎手時代に騎乗して秋華賞を制したファビラスラフイン(父Fabulous Dancer)。母系には2012年阪神大賞典を制したギュスターヴクライ(父ハーツクライ)がいる血統。
本馬は11月28日の栗東坂路が4F55.6秒、12月5日の坂路が4F54.8秒と速い時計は出ていないが、5日の追い切りでは同じ2歳を相手に3馬身追走して、4馬身先着を馬なりでやってのけた。松永幹夫調教師も「やればいくらでも時計は出そうなタイプ」ということで、時計に関しては全く気にしていない。夏場にゲート試験を合格して、成長を促す意味でここまで待機していたが、これからまだまだ良くなってくるのかも知れない。鞍上は池添謙一騎手が予定されている。
(取材・文:井内利彰)