ダービー馬ディープスカイ、菊花賞馬
オウケンブルースリはともにジャパンカップに矛先を向け有馬記念は回避。前年の1、2着馬が人気の中心となった。
1番人気は前年2着の
ダイワスカーレット。この年は始動戦の大阪杯を勝ったものの、その後に骨瘤を発症し休養。天皇賞・秋で復帰すると、
ウオッカと歴史に残る名勝負を演じてハナ差の2着と力を示していた。
2番人気は前年の優勝馬マツリダゴッホ。この年も中山の重賞を2勝し、東京のジャパンカップでも4着。まさに充実期という印象だ。
3番人気はジャパンカップを制したスクリーンヒーロー、引退レースとなるメイショウサムソンが4番人気で続く。
レースは13番枠から飛び出した
ダイワスカーレットがハナを奪うと、天皇賞・秋同様に、一貫したペースを作っていく。メイショウサムソンが2番手につけ、
カワカミプリンセス、
アサクサキングスなどが続く展開。先行すると目されていたマツリダゴッホは、流れに乗りきれず後方からの競馬を強いられる。
勝負どころでメイショウサムソンの手が動きだし、後方からスクリーンヒーロー、マツリダゴッホが捲り気味に進出して4コーナーをカーブ。直線入り口で差を広げた
ダイワスカーレットの脚色は衰えず、そのまま逃げ切り勝ちを収めた。
早めに動いたスクリーンヒーロー、マツリダゴッホは失速。最後方で脚を溜めていた最低人気の
アドマイヤモナークが2着に突っ込み、3着は中団の内で機を窺っていた
エアシェイディ。3連単は98万5580円という大波乱である。
安藤勝己をして「後ろが早めに動いたのは分かったけれど、追いかけてきたら止まるだろうなと思った」とまで言わしめた圧倒的な持久力。追いかけてきた馬が脚をなくす、まさに女王の走りであった。
ダイワスカーレットは、次の目標をドバイワールドカップに定めるが、登録したフェブラリーSへ向けての調教中に屈腱炎を発症し引退。結果的に、この有馬記念がラストランとなった。