ブラストワンピースがレイデオロを抑え優勝(撮影:下野雄規)
平成最後となる第63回有馬記念は、障害チャンピオン・オジュウチョウサンの参戦で盛り上がりをみせる。手綱を取るのは武豊騎手。数々のドラマを演じてきたレジェンドだ。オジュウチョウサンは平地では1000万下を勝っただけだったが、ファンは単勝9.2倍の5番人気と高く評価し、偉業達成に期待を寄せた。
単勝2.2倍と抜けた1番人気に推されたのはレイデオロ。天皇賞・秋で完全復活を果たした前年のダービー馬で、世界レコード決着となったジャパンカップを使っていない点も、他馬との比較上、有利に映る。2番人気は、そのジャパンカップでレコードを誘発する逃げをみせたキセキ。3番人気に唯一の3歳馬ブラストワンピースが続く。
オジュウチョウサンが好スタートからハナへ行く構えをみせるも、それを制してキセキがハナへ。ミッキーロケットが続き、オジュウチョウサンは内の3番手に控える。ブラストワンピースは6番手と好位を進み、レイデオロは中団の外目。
直線に向くとキセキがラチ沿いを懸命に粘るが、早めに動いたブラストワンピースが馬場の真ん中から抜けてくる。その外からレイデオロが迫るがクビ差及ばずゴール。勝ち時計は2.32.2(稍重)。3着に追い込んだシュヴァルグラン。
外国人騎手によるGI勝利を10週で止めた池添騎手は「GIを獲れると言い続けてきて、そのなかで負けていたので、何としても勝ちたいと思っていた」と声を弾ませた。管理する大竹調教師は開業10年目、23回目の挑戦でのGI初勝利。
オジュウチョウサンは9着。しかし勝ち馬との差は僅かコンマ8秒で、大健闘といえる結果だろう。武豊騎手も「ナイストライだったと思います」と讃えた堂々たる走りであった。平地か障害か――。新時代でも、きっとファンを沸かせる走りを見せてくれるに違いない。