毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。
【中山記念(中山の芝傾向)】
当初は金曜夜に雨予報も出ていたが、JRA発表では降雨は記録されず、土曜の芝は良馬場で開催。金曜朝と土曜朝では含水率の大きな変動もなかった。日曜は天気の心配はなく、土曜よりさらに一段乾いたレベルになりそうだ。
Aコース使用は昨年12月28日(ホープフルS当日)以来。1月開催は内6m地点に内柵を設置したCコース使用だったので、内を通る利が見込めるのが通例だが、土曜は内&前有利を意識したのか、道中流れるケースが多く、先行勢が断然有利という訳でもなかった。開幕週でも内寄りがボコボコしていた昨春開幕週と比べると、今春の方が時計的には出ている。芝状態は全体的にいい。
土曜は、芝競走は5鞍施行。勝ち馬の最終4コーナーの位置は「5番手、2番手、5番手、3番手、4番手」。9R・水仙賞(芝2200m)は前半3F35秒8〜5F59秒5と3歳500万下としてはかなり流れ、4コーナー5番手のアドマイヤスコールが突き抜け、同じく4コーナーで5番手付近にいたサンアップルトンが2着。勝ち時計2分12秒5は、この時期の3歳戦とはしてはかなり速い。
中山記念と同じ内回り1800mで行われた10R・富里特別は3番手追走の1番人気ジナンボーが1分47秒2。昨年の中山記念の勝ち時計1分47秒6(勝ち馬ウインブライト)より速く、高速決着への対応力は不可欠。エメラルエナジーが4コーナー4番手から届いた11R・アクアマリンS(芝1200m)では、前半3F33秒5(同後半3F34秒6)で飛ばしたイサチルホープが2着に粘った。
差しか?先行か?と問われれば、やはり開幕週の利で前は有利。中山記念で逃げ想定のマルターズアポジーが近走一息。2〜3番手がおいしい位置になるのか? 勝ち時計は「1分46秒台」は必須だろう。