14日に中山競馬場で行われる皐月賞(3歳・牡牝・GI・芝2000m)について、人気面を基に考察していく。対象は東京競馬場で行われた2011年を除く過去10回。
1番人気は2-1-2-5。半数が馬券圏外、4頭は掲示板外となっておりかなり苦戦気味。かつては2000〜2005年の6年間(3-2-1-0)のように安定していた時期もあったが、最近では2013年ロゴタイプを最後に勝利を挙げられていない。特に近2年はともに1番人気馬が7着と、高配当発生の要因の一端となっている。09年ロジユニヴァース、15年サトノクラウン、16年サトノダイヤモンド、17年ファンディーナと、無敗の1番人気馬の連勝が皐月賞で止まるケースも多い。
1〜3番人気は5-5-4-16。これを見ても上位人気馬は比較的苦戦しているが、着外16頭のうち実に6頭が、大波乱と言っていい結末となった近2年でのもの。その2年間以外では、2〜3番人気、2〜4番人気、3〜4番人気の複勝回収率はいずれも100%を超えてくる。実際、近2年の大波乱の一方で、4番人気以内馬だけで決まったという年も3回あり(2013年は4着まで人気通り)、まずは波乱含みなのか順当なのかという見立てがポイントとなってくるか。
良好な数字を残しているのが、まずは4番人気。4番人気が10回中4回の馬券絡みというと起こり得る範囲内にも思えるが、12年ゴールドシップは完勝し、09年セイウンワンダーは単勝オッズ21.2倍で3着に食い込み、複勝配当は870円となった。それもあり複勝回収率は100%を超えている。
そしてそれ以上にインパクトがあるのが、同じく4回の馬券絡みとなる8番人気。昨年3着ジェネラーレウーノは3番手以下を離した2番手、14年3着ウインフルブルームは逃げという、粘っての激走が2例。そして16年優勝馬ディーマジェスティと09年2着のトライアンフマーチのように直線で外から追い込んでの激走が2例ある。
このうち、極端な展開となったジェネラーレウーノを除き、ウインフルブルームとディーマジェスティは大外からの発走、内枠から発走のトライアンフマーチは単独最後方から4コーナー大外と、「外」がキーワードとなっている印象だ。「人気順」という不安定なファクターの中、ピンポイントで「8番人気」を考えすぎても仕方がないかもしれないが、それ以下の人気で馬券に絡んだ4頭は、いずれも二桁馬番での発走。初の多頭数の大舞台となる馬も多い中、ストレスなく「外」を使える馬が強いのかもしれない。