昨年暮れの香港ヴァーズを制して以降、連勝街道を突き進み、香港中長距離界のトップホースに登り詰めたエグザルタント。写真=森内智也【netkeiba.com】
春の中距離路線の一端として、すっかり日本でも定着した感のあるクイーンエリザベス2世C。昨年からはチャンピオンズマイル、チェアマンズス
プリントとともに、香港チャンピオンズデーとして同日開催されるようになり、ますます日本の競馬ファンにも身近に感じられるようになった。今年は
ウインブライト、
リスグラシュー、
ディアドラの3頭が参戦。香港競馬に精通するレーシングエディター・Ian Sham氏に今年の展望をうかがった。
「エイシンプレストン、
ルーラーシップ、そして
ネオリアリズム。日本馬が強いイメージのあるクイーンエリザベス2世カップだが、昨年の
パキスタンスターに続き、今年も香港馬にチャンスがありそうだ。
その主役となりそうなのが
エグザルタント。昨年末の香港ヴァーズを勝つと、センテナリーヴァーズ、香港ゴールドカップと連勝を続け、香港の中長距離界のトップホースとなった。今シーズン急激に成長した同馬だが、まだまだ成長過程の途中。どんなレースをしてくれるか楽しみだ。
また、
ビューティージェネレーションが勝利したチェアマンズトロフィーの2、3着馬が面白い。人気薄ながら2着となった
イーグルウェイは、昨年のジョッキーク
ラブカップでも6番人気で勝利しており、まさに忘れた頃の
イーグルウェイだ。
一方、3着の
パキスタンスターは、今シーズンはイマイチな成績が続いていたが、転厩後初のレースで復調の
キッカケを掴んだようだ。昨年の再現があってもおかしくない。そして、香港ダービー馬フローレもレースを使うたびに調子を上げている。今回は挑戦者の立場だが、期待は大きい。
これらの香港勢に一矢を報いるとすれば、やはり日本勢だろうか。とくに、香港ヴァーズで
エグザルタントを追い詰めた
リスグラシューには逆転の目もあると思う。ただ、前走の金鯱賞で2着に敗れたように少し運がないようにも感じる。もし運のある馬ならば、昨年の香港ヴァーズでも勝利を収めていたのではないだろうか」
(取材・文=Ian Sham、訳=森内智也)