横山典弘騎手とのコンビに新味あるエタリオウ(写真奥、撮影:井内利彰)
天皇賞・春は4着だったエタリオウ(栗東・友道康夫厩舎)。前走について「3コーナーの下りから真面目に走ったこともあって、レースは珍しく疲れた表情を見せていた」と友道康夫調教師。それだけに帰厩してからの状態はなかなか上向いてこなかったが、今朝13日は宝塚記念に向けた1週前追い切りを行っている。
レースで騎乗予定の横山典弘騎手が跨って、CWコースでアドマイヤデジタルとの併せ馬。この中間から舌を縛って、浅いブリンカーを着用しているが、なにより今日の見どころはジョッキーとのコンタクト。
馬場へ入って、キャンターに移る時もすごくスムーズで、いかにも馬が走りますよといった態勢。2コーナーから向正面に入った時のスピード乗りがリズムよく、先行していたアドマイヤデジタルにすぐにでも追いつきそうな勢い。併せ馬だと追っ付けておかないと前と離されてしまうタイプが、これだけ前向きに走れているのだから、それだけでこのコンビの意味がある。
6Fで少し速くなりそうになった分、3コーナー付近でのラップが遅くなったが、もちろん折り合いを欠くようなことはない。4コーナーから最後の直線は内から前を捕まえに行くが、その時の反応がいつになく早い。あっさりと追い抜いて、1馬身前へ出ると、そのままの大勢でゴールインした。
時計は7F99.1〜6F83.5〜5F68.5〜4F53.4〜3F37.9〜1F11.5秒。数字的にも申し分なく、思っていた以上に中身の濃い1週前追い切り。レースでの戦法も含めて、この馬が宝塚記念の台風の目になることは間違いないだろう。
(取材・文:井内利彰)