毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。

【ラジオNIKKEI賞(福島の芝傾向)】

　開幕日の土曜の芝は良馬場で終日行われた。福島は金曜午後、土曜午後3時すぎからも雨が降ったが、レース時間帯に限れば影響は少なかった。ただ、最終レース後の土曜午後5時すぎから雨は強さを増している。JRAの午後5時30分発表では「稍重」に変更された。日曜の福島市の予報は雨時々曇で午前6〜12時が降水確率80％、12〜18時は70％と高い。予報通りならラジオNIKKEI賞の頃は「重」か「不良」まで進む可能性もある。開幕週とあって芝自体のコンディションは素晴らしいが、雨量で状況は変わりそうだ。

　土曜は、芝競走は7鞍。優勝馬の最終4コーナーの位置は「2番手、1番手、1番手、2番手、3番手、8番手、2番手」。内と外の馬場差がなく、小回りゆえの直線の短さもあり、逃げ＆先行馬の天下だった。

　中団から差して勝ったのは9R・南相馬特別(芝1800m)を最終4コーナー8番手から制したヴァンケドミンゴだけ。同馬は1番人気で力の違いで前有利の舞台を克服したと言えなくもない。このレースの3着マイネルザウバアは最終4コーナー先頭から粘り込み。土曜に限れば、先行馬抜きの馬券作戦は考えにくい状況だった。

　日曜は雨量次第で傾向が全く変わる可能性もある。福島の芝は、2017年以降は重か不良に悪化したケースはなく、芝の重馬場施行となれば2016年11月19日以来となる。この日の11R・フルーツラインC(芝2600m)は中団から最終4コーナーで2番手に進出したエアカーディナルが快勝。12R・高湯温泉特別(芝2000m)は中団から進出したタツゴウゲキが勝っている。福島の道悪となると、個人的には「まくり気味の進出」が功を奏すイメージがあるが、当日の天候と馬場状況に注意していただきたいと思う。