昨年のこのレースを制したチャイヤプーン。今年は東京ダービー馬も参戦してくるだけに、相手探しの一戦になる!? (撮影:高橋正和)
伝統の川崎重賞「第48回戸塚記念」。昨年SIに格上げされ、1着賞金も3000万円にアップした。今年は東京ダービー馬・ヒカリオーソ(牡3=川崎・岩本)が参戦を表明しており、8年ぶりに地元川崎勢の制覇なるか注目の一戦だ。
今年の3歳世代を振り返ると、昨年12月の全日本2歳優駿で6着だったミューチャリーが羽田盃を制覇。同7着ヒカリオーソが東京ダービーを制覇とクラシック2冠を分け合った。ちなみにミューチャリーは、南関最初の2歳重賞である鎌倉記念も優勝している。
昨年の鎌倉記念は非常にレベルが高く、2着リンゾウチャネルがホッカイドウ競馬の3冠馬に。4着にヒカリオーソ。5着リンノレジェンドは黒潮盃を制覇と3歳世代の活躍馬がズラリと並んでおり、鎌倉記念の結果もチェックする必要がありそうだ。
リンゾウチャネルとリンノレジェンドはホッカイドウ競馬所属なので、南関3歳戦線ではヒカリオーソとミューチャリーが頭ひとつ抜けた存在といえる。ミューチャリー不在となる今年の戸塚記念は、ヒカリオーソにとって負けられない戦いといっても過言ではない。コーナー6つの川崎2100mは、スローペースになりやすく先行馬有利。大井の外回り2000mより息が入りやすい。
データ的にもダービー馬は注目。ジャパンダートダービー(JDD)が創設された1999年以降は優勝馬がJDDに向かうようになり、日程的に厳しいこともあって、戸塚記念出走は2006年ビービートルネード(1着)、16年バルダッサーレ(2着)の2頭のみ。それでも、98年アトミックサンダー(1着)も加えて過去21年で2勝2着1回と、出走してくれば外せない存在だ。
ヒカリオーソに対抗できるダークホースはいるか? 過去21年のデータでは東京ダービー不出走馬13頭が優勝しており、南関クラシック実績はそれほど重要視しなくていいように見える。ただ、優勝21頭中14頭は重賞で3着以内の実績があったし、それ以外の7頭中5頭が連勝で戸塚記念を制覇。重賞実績または、ひと夏を越しての成長の勢いが必要となってくる。
近年は4年連続で、トライアルの芙蓉賞3着以内だった馬が馬券に絡んでいることにも注目。4年間で同レース3着以内馬が戸塚記念に出走した場合、[1-1-1-1]の好成績を挙げており、今年は同1〜3着のダンサーバローズ、トーセンボルガ、ケンゴッドが該当する。
(取材・文=「スポーツニッポン」記者・秋田麻由子)
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