毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。

【ローズS(阪神の芝傾向)】

　先週日曜はレコードが2度出た阪神芝コース。特に2勝クラスの瀬戸内海特別(芝1400m)ではメモリーコロネットが1分19秒3。従来の記録がイスラボニータ(1分19秒5)だけに、開幕週とはいえ想定外の時計の出方＝速さだった。

　さて今週は金曜の雨の影響が残り、土曜のダートは稍重で終日開催。芝は1Rから良馬場だったが、先週よりも含水率が高い数字でもあり、先週のような超高速馬場ではなかった。ただ、日曜は好天予報で予想最高気温は33度と高い。同じ良馬場でも日曜の方が一段乾いたレベルで、時計が速くなることは容易に想像できる。

　ちなみに土曜は、芝競走は5鞍(障害戦は除く)。勝ち馬の最終4コーナーの位置は「9番手、5番手、3番手、3番手、8番手」。先週同様、前有利の中山に比べると差しも届いている。ローズSと同じ外回り1800mで行われた野路菊Sは、断然人気マイラプソディが3番手からあっさり抜け出して1分47秒4。野路菊Sレコード(1分46秒6＝13年サンダラスが記録)には届かなかったが、秋の阪神2週目としては標準的な時計は出ている。

　ローズSは過去10年で8回が良馬場。この良馬場8回中、レコード決着となった09年ブロードストリート(上がり3F34秒2)を除く優勝馬7頭は全て「上がり3F33秒台」を記録していた。位置取りに関係なく、極限の瞬発力が問われる。