この瑞穂賞H2から道営記念H1のローテーションとみられていた絶対王者スーパーステションが出馬投票せず、2番手グループに甘んじていた各馬には大きなチャンスが巡ってきた。スーパーステションを管理する角川秀樹調教師によると「この中間、ちょっと不安な部分が出たため、大事をとって今回は出走を見送りました」とのこと。陣営としてはこの瑞穂賞H2、着実に復調してきたNARグランプリ2017「年度代表馬」ヒガシウィルウィンの1年2ヵ月ぶり重賞V(昨年8月の大井1600m「サンタアニタトロフィーSIII」以来)に全力を注ぐこととなった。
瑞穂賞H2は言わずと知れた道営記念H1(2000m外回り)の前哨戦だが、最初のコーナーまでが200m短い1800m外回りで争われる。前走2000m外回りの旭岳賞H2でもスーパーステションの2着を死守したオヤコダカは、最も実績あるマイル戦に1ハロン寄ることで有利に運べる可能性が高まるだろう。斤量も引き続き57キロなら前走からのプラス要素が多く、逆にマイナスポイントは見当たらない。
旭岳賞H2で2着オヤコダカに0秒1差まで迫ったヒガシウィルウィンは、距離に関しては2歳時から広範囲にこなしており今回1800mへの短縮がマイナスに作用することはないとみるが、今回は58キロを背負う点がポイントになりそう。もちろん、一昨年の地方競馬・年度代表馬に要らぬ心配なのかもしれないが、復調したオヤコダカを破るためにクリアすべき要素が多いのも確かだろう。
今夏門別に門別に転入し、この1800m外回りのA1下特別で貫禄の2連勝決めた3年前の東京ダービー馬バルダッサーレの走りも注目を集めるだろう。その門別2連勝は、2着馬がサラトガスピリット→パイロスターということで、この馬場での真の一線級との手合わせは今回が初めてだが、東京ダービー7馬身差圧勝や3走前サンタアニタトロフィーSIII(大井1600m内回り)でノンコノユメに0秒1差3着の実績等から、前記2頭を圧倒したとしても全く驚けない。道営記念5勝目めざす道営史上初の生え抜き2000勝ジョッキー・五十嵐冬樹騎手も気合満々の前哨戦だろう。
他では一昨年の道営記念H1優勝馬ステージインパクト、重賞戦線でも好走多いモズオトコマエ、前走・旭岳賞H2で大健闘4着のエスシーレオーネ、今春JRA500万円以下条件(現1勝クラス)から転入し8戦6勝・2着2回と底を見せていないモズノーブルギフト、前走・旭岳賞H2が思わぬ大惨敗もメンバー唯一頭のJRA重賞勝ち馬モルトベーネら、伏兵陣にも上位進出の可能性を見いだせる実力馬が揃っている。
ゲートインは9日、20時40分。門別1800m外回りでの底力勝負を、ぜひご堪能いただきたい。
(文=ひだか応援隊)