道悪適性こそ不明だが、「穴の万哲」が狙って面白い穴候補の1頭として挙げたステイフーリッシュ(撮影:高橋正和)
今年のAJC杯のカギは日曜に予想される雨(場合によって雪)と実績上位のブラストワンピースの評価だろう。確かに、ブラストワンピースの凱旋門賞は「道悪」が敗因のひとつかもしれないが、優勝したヴァルトガイストの「2分31秒97」は過去10年で下から3番目。国内の2400m重賞でここまで遅くなることはなく、超特殊な道悪だったともいえる。
一昨年の有馬記念は稍重でV。暮れからの連続開催で内寄りが傷み、外差しが利く今の中山はブラストにとっては戦いやすい。パワーも兼備し、多少の道悪なら評価ダウンは禁物だろう。
ただ、予報通りに雨が降れば、他の有力馬は明暗を分けそうだ。内寄りの芝が荒れ、後続の追い上げも速い中山のコース特性。同じ道悪上手でも、内寄り&前で粘る先行馬よりも「道悪OKの外差し型」をピックアップしたい。
まずはステイフーリッシュ。これまで16戦すべて良馬場なので道悪適性はベールに包まれている形だが、昨夏の函館記念(3着)が重めの洋芝で好走。ステイゴールド産駒の典型で一瞬の脚よりロングスパートで勝負するタイプ。直線で他馬と接触した前走・チャレンジC(10着)で人気を落とすようなら穴党には面白い存在に。
人気馬では、ブラストと同じハービンジャー産駒のニシノデイジー。弥生賞(4着)やセントライト記念(5着)は重馬場で現実に負けているが、例えばセントライト記念当時は道悪ながら芝状態は良く、内&前有利の設定で外を回しては苦杯もやむなし。当時とは舞台設定は一変している。
もっと大穴なら、ウラヌスチャーム。時計が掛かる馬場を得意にしており、典型的な中山巧者。馬群を縫う根性も兼備しているが、ここはオーソドックスに外差しか。父ルーラーシップは不良馬場のAJC杯を2012年に完勝しており、雨予報が外れなければ、男馬相手でも台頭は十分。
逆に人気馬では、瞬発力勝負のミッキースワローは昨年のエプソムC(10着=稍重)を見ても湿った馬場にいい印象がない。ラストドラフトは、昨年の弥生賞(7着)が重馬場。桜花賞馬の母マルセリーナの切れを生かすには、極端な馬場悪化は避けたいクチか。日曜の天候が流動的な面もあり、当日の馬場状態をギリギリまで確認して馬券購入していただきたいと思う。
(文=小田哲也)
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