ノルマンディー

【ダイオライト記念回顧】マイペースの逃げで後続を完封、アナザートゥルース(斎藤修)

2020年03月13日 10:00

逃げ切り勝ちを収めたアナザートゥルース(撮影:高橋正和)

 メンバー中2頭のダートグレード勝ち馬の1頭、アナザートゥルースが逃げ切り勝ち。2馬身差でウェスタールンド、さらに4馬身離れて3着にサウンドトゥルー。4着以下はさらに離れて、人気どおりでもあり実力どおりの結果。1、2着はスローに流れた道中の位置どりの差だった。

 逃げ馬不在のメンバーで、やや押して出して行ったヤマノファイトがそのまま逃げるかと思ったが、外からアナザートゥルースが労せずして先頭へ。まったく楽なペースでの逃げに持ち込んだ。前半1000m通過が65秒8。14秒2、13秒7と、もっともラップが落ちた400mを挟んで、後半1000mは12秒台のラップが続いて62秒9というペース配分。中団よりうしろ、10番手を追走したウェスタールンドは3コーナー手前からロングスパートで仕掛けていって、上り最速の37秒2を計時したが、時すでに遅く、さすがに届かなかった。

 勝ったアナザートゥルースは、ルメール騎手のペース配分も見事だったが、今回はとにかく展開に恵まれた。過去のレースを振り返ると、2着だった浦和記念では出遅れ最後方から。3着だった名古屋グランプリは勝負どころ3コーナーからのペースアップで遅れをとってしまった。5着だった川崎記念は向正面中間でペースが上がったところで置かれてしまった。

 こうして見るとアナザートゥルースは脚の使いどころが難しく、スローに流れての瞬発力勝負では分が悪い。ちなみに、勝ったアンタレスSは、スタート後の激しい先行争いには巻き込まれず7番手あたりから。その後は12秒台の平均ラップで流れ、瞬発力勝負にはならず長く使える脚が生きた。今回はスローペースではあったが、早めに攻めてきたのはサウンドトゥルーだけ。前述のとおり残り1000mからペースアップして長く脚を使った。6歳で重賞2勝目、今後も2000m以上の距離で展開次第とはいえそうだ。

 2着だったウェスタールンドは展開的なこともあったが、地方より中央で能力を発揮するタイプかもしれない。今回が初の地方で、ダートで2000mを超える距離も初めて。一昨年のチャンピオンズCから前走昨年のチャンピオンズCまで4戦連続で1800mを使われていた。一昨年2着に好走しているチャンピオンズCがそうであるように、コーナー4つの中距離で、道中あまり息が入らず厳しいペースで流れるレース展開は、地方ではほとんど望めない。地方でそういう流れになる可能性があるとすればコーナー4つの1400m戦だろうか。

 スローペースを早めに察知した森泰斗騎手のサウンドトゥルーは、1周目のスタンド前で先頭から3馬身と離れていない4番手まで位置取りを上げた。3コーナー過ぎでアナザートゥルースをとらえに行ったが、手応えの差が違ったのは年齢的なこともあっただろう。結果的に勝ち馬から6馬身差の3着は勝ちに行ったぶんで、その着差ほど能力差はないように思える。

 中団を追走したジョーダンキングはペースアップしたところで前との差を詰められず、見せ場をつくれないまま8着。ここまで中央のGIIIを3戦して、着順はともかく0秒6差以内とそれほど差のないレースをしていたが、今回は長丁場で能力差以上に着差が開いてしまった。

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