【勝負の分かれ目 フローラS】強風をモノともせず伸びたウインマリリンが重賞初制覇

2020年04月26日 18:30

 強い風が吹きつけるなか、第55回フローラステークスのゲートが開いた。

 第2コーナーを回りながらシャンドフルールがハナに立った。リヴァージュ、ウィスパリンホープらがつづく。

 横山武史のウインマリリンは前3頭から差のない4番手の内を進む。直後の外にダミアン・レーンのホウオウピースフル。クリストフ・ルメールが騎乗する1番人気のスカイグルーヴは、そこから1馬身半ほど遅れた中団につけている。先手を取ることも予想されていたのだが、脚を溜める競馬をすることになった。

 向正面では強い追い風を受けて走ることになる。

 1000m通過は58秒6。風を考慮に入れても、やや速い流れになった。

 縦長になった馬群が3コーナーに入って行く。先頭からウインマリリンまでの差は5馬身ほどにひらいている。横山武史は手綱をガチッと抑えたままだ。

 先頭のシャンドフルールは持ったままで4コーナーを回り、直線へ。

 ダートコースから砂が舞い上がるなか、向かい風を受けた各馬がスパートをかける。

 ウインマリリンが、前のシャンドフルールを風除けとして利用したのは、ほんの数完歩だけだった。すぐさま内に進路を取り、シャンドフルールと最内のウィスパリンホープとの間を割って行く。そして、ラスト400mを通過したところで完全に抜け出し、先頭に躍り出た。

 ウインマリリンは、外のレッドルレーヴ、スカイグルーヴと馬体を離して叩き合う。レッドもスカイも、直線入口から前がクリアになった馬、つまり、ずっと向かい風を受けた馬であった。

 これら2頭の間を割ってホウオウピースフルが猛然と追い上げくる。さらに外からはフアナも伸びてくる。ホウオウピースフルとフアナは、ラスト300mを切るあたりまで前が壁になり、風を受けずにいた。

 ラスト200m付近で右ステッキを入れようとした横山武史の手から鞭が飛んだ。それでも必死に手綱をしごき、ウインマリリンを叱咤する。

 ホウオウピースフルとフアナが1完歩ごとに内のウインマリリンとの差を詰めたが、及ばなかった。

 勝ったのはウインマリリン。ウインマリリンにとっても横山武史にとっても嬉しい重賞初制覇となった。

 これで4戦3勝。3勝すべてが、デビュー4年目の横山武史の手綱によるものだ。

 強風をモノともせず伸び切った根性娘のオークスが楽しみになった。

(文:島田明宏)

新着ニュース

ニュースを探す

ご意見・ご要望

本サービスはより高機能なサービスの提供なども検討しております。お気づきの点がございましたらお気軽に下記フォームよりご意見をお願いいたします。

  • ご意見をご記入ください。

頂いたご意見には必ずスタッフが目を通します。個々のご意見に回答できかねますことを予めご了承ください。
また、連続して複数送信されると、受付できないことがあります。予めご了承ください。