弥生賞ディープインパクト記念を勝利したサトノフラッグ(撮影:下野雄規)
上位3着までに菊花賞への優先出走権が付与されるレースで、ごまかしの利かない中山2200mコースで行われるだけに「格」で決着が付けられるケースが多い、過去10年(2014年は新潟で施行)の勝ち馬で、すでに重賞を勝っていた馬が7頭。例外はラジオNIKKEI賞2着クォークスターと、古馬混合2勝クラスを走っていたミッキースワローと、1勝クラスを勝ち上がってきたユールシンギングのみ。実績を重視したいレースだ。
◎サトノフラッグは弥生賞優勝馬。2番人気を背負った皐月賞は勝負どころで脚色が鈍り、直線勝負にかけたダービーは反応が鈍かった。しっかりと間隔を開けて使われてきたとはいえ、2歳時にレコード勝ちを記録し、重馬場の弥生賞を勝った目に見えない疲れがあったのかもしれない。母はアルゼンチンの2冠牝馬で、同3歳牝馬チャンピオン。夏を休養に充てての仕切り直しの1戦で改めて注目したい。
○バビットはラジオNIKKEI賞の優勝馬。2歳トレーニングセールの出身馬で1歳時には150万円という安価で取引された馬だが、3歳4月の初勝利から3連勝で重賞ウイナーにまで昇りつけた。特に前走のラジオNIKKEI賞では逃げて、後続を突き放したレース内容は見どころがあった。3勝いずれも平坦コースだったことから2度の坂越えを心配する向きもあるようだが、2歳時には阪神コースで2着の経験がある。ゆったり逃げられる外回りコースはあっている印象だ。
▲ヴァルコスは重賞未勝利も青葉賞2着馬。このレースは青葉賞との関連性が比較的強く、昨年のリオンリオン、そして12年フェノーメノが青葉賞とこのレースを制しているほか、16年3着プロディガルサンは青葉賞4着馬で、同じく10年3着アロマカフェの青葉賞4着だった。豊富なスタミナを武器に、長く良い脚を使えるタイプ。一角崩しを狙っている。
△ガロアクリークはスプリングSに勝ち、皐月賞3着。ダービーは6着とはいえ3着馬とはコンマ1秒差だった。どちらかと言えば外回りよりも内回りコースに向いた印象でやや評価を下げたが、青葉賞3着△フィリオアレグロともども注意が必要だろう。