かつてはオープン特別競走として行われていたレースで重賞となって7回目。毎年少頭数ながら、上位入線馬は翌年以降も活躍するケースが多く、昨年も2着馬のミヤマザクラが翌年のクイーンCに勝った。まだ歴史が浅いレースで傾向がつかみにくいが、コーナーを4回まわる2000m戦なので、距離経験は重要視したい。今年の場合は京都競馬場改修工事のために阪神競馬場で行われることになり、例年と比較すれば早い時計の決着が予測されるが、過去6回の連対馬12頭中9頭が3番人気以内と堅く収まるケースが多い。
キングカメハメハ産駒の◎グロリアムンディは京都内回り2000mコースで新馬勝ち。11月15日の福島競馬で2勝目を挙げたナイントゥファイブの半弟で、母ベットーレはイタリアの芝1200m重賞競走の勝ち馬だ。デビュー戦はスローペースで流れる中、後方のインでじっと脚を溜め、勝負どころでは早めに仕掛けるライバルたちの脚色を図るようなレースぶりで、4角大外から直線一気。性能の違いを見せつけるかのようにゴールでは突き抜けた。スローペースでもしっかりと折り合い、そして仕掛けられてからの反応などレースセンスの良さが窺えるデビュー戦だった。2戦目の上積みも加味して本命に。
エピファネイア産駒の○グラティトゥーは、紫菊賞の2着馬。エピファネイア×ディープインパクトの配合は、菊花賞でコントレイルを苦しめたアリストテレスと同じで、祖母のワシントンシティはチリの3歳牝馬チャンピオン。気性の強さがうかがえる配合だが、反面、容易にバテないスタミナとパワーを感じさせる。前走は気性の強さが裏目に出てしまったような印象だが、そのあたりがしっかりと矯正できていれば逆転候補だ。
オルフェーヴル産駒の大型馬▲ラーゴムはアイビーSの2着馬で、母シュガーショックは米国ファンタジーS優勝馬。今回と同じ阪神競馬場の2000mコースでデビュー戦を飾り、口を割りながら追走した前走でもジョッキーに励まされながらも1度は先頭に立とうというシーンがあり、ゴール前でも差を詰めてきた。オルフェーヴル産駒は、ゴール前に坂のあるようなコースを得意としており距離延長とコース経験を味方に逆転を狙う。
ルーラーシップ産駒の△ワンダフルタウンも楽しみな1頭だ。ダッシュが付かなかったデビュー戦は2着と敗れたが、2戦目はほとんど追うところなく後続を8馬身突き放した。前走の萩Sは休み明けで16キロ増。それでも勝ち馬、2着馬とともにメンバー最速の上がりタイムで4着以下に5馬身の差をつけている。キズナ産駒で、先行力がある△バスラットレオンともども連下には抑えておきたい。