「有馬記念・G1」(27日、中山)
 デイリースポーツでコラムを執筆している北村友一騎手(34)=栗東・フリー=が、
クロノジェネシスで挑む暮れの
グランプリを前に、独占手記を寄せた。有馬は初舞台でも気負いはなし。最上の結果で締めくくるつもりだ。
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 有馬記念は
クロノジェネシスで挑みます。ファン投票1位で史上最多の得票数。びっくりしましたが、これだけ支持されるのはうれしいこと。デビューから、乗り続けてきた馬でG1を勝つのは初めて(秋華賞)だったのもあり、彼女には特別な感情があります。感謝の気持ちしかないですし、その気持ちに応えたいと思います。
 前走の天皇賞・秋は駐立が悪くてスタートで少し遅れ、そこから窮屈になって取りたいポジションが取れませんでした。それでも、いい瞬発力と持続する脚を使ってくれましたし、最後は
アーモンドアイに迫ったので能力の高さを見せてくれたと思います。今週は追い切りにもまたがりましたが、仕上がりはいいなと感じました。
 印象に残っている有馬記念は、07年のマツリダゴッホですね。当時はいい馬に乗せてもらえるようになってきたデビュー2年目。同年のオールカマーで2着に敗れた(
シルクネクサス)のですが、勝ったマツリダゴッホに“強い馬だな”と感じました。有馬を勝って“やっぱり”と。蛯名さんのレースと
ガッツポーズが格好良かったのを覚えています。
 先日、10年前からお世話になっている、松葉がに専門店「かに吉」の大将(山田達也さん)が『情熱大陸』で紹介されました。その人柄、信念に刺激をもらっています。大将からは常に「努力は人を裏切らない」と言われてきました。自分もやっていること、やってきたことを信じて貫いていきたいですね。
 枠はできれば偶数が良かったのですが、外過ぎなくて良かったと思います。並びを見てもいい感じで運べそうなので、とにかくゲートを決めることですね。五分に出られれば。
 有馬記念での騎乗は初めて。ただ、それを意識する必要はないと思っています。昨年は宝塚記念を勝った牝馬
リスグラシューが有馬記念を勝ちました。
クロノジェネシスもいい成長を歩んでくれていますし、今年の集大成として、勝って締めくくれたらと思っています。