今月下旬に宝塚記念を残すものの、春シーズンのGIシリーズを締めくくるベストマイラー決定戦。かつて、ハンデ戦だった頃のイメージは、もうない。東京競馬場のワンターンコースを舞台に力と力、
スピードと切れ味を競うレースだ。
◎
サリオスは、朝日杯フューチュリティSの優勝馬。東京競馬場は4戦3勝と得意としており、サウジアラビアRCは今も残る2歳レコードで快勝。ダービーは、最後
コントレイルに突き放されたものの、外を回りながら追い上げた内容は、距離適性を考慮すれば悪いものではなかった。1600m戦も4戦3勝。昨秋のマイルCSの着順は不満だが、大外枠からメンバー最速の上がりタイムで追い上げた。今回はほぼ
ノーマークのはずで、ベストな舞台で最高のパフォーマンスを期待したい。
〇
グランアレグリアは昨年の安田記念、マイルCS、そして今春のヴィクトリアマイル含めマイルGI4勝。
アーモンドアイを問題にしなかった昨年の安田記念も強かったが、昨秋のマイルCSでは完璧な立ち回りをした
インディチャンプを余裕で交わしている。
その実績には最大限の敬意を表するが、厳しいマークが予想されるうえに、ヴィクトリアマイルから安田記念へと挑んだ馬は過去10年で15頭いるものの2着3回のみ。勝ち馬は08、09年の
ウオッカまでさかのぼらなければならない。圧倒的な人気が予想されるだけにやや評価を下げた。
3番手というか、単穴評価は未対決の▲
シュネルマイスター。NHKマイルカップは半マイル通過45秒3、前半1000m通過が56秒9というハイペースを中団から追走し、早めに抜け出た
ソングラインをゴール前でねじ伏せた。あのレースが初めての左回りだったことを考えると上積みがありそうだ。
△
インディチャンプも、もちろん圏内だ。一昨年は安田記念、マイルCSに勝ち、昨年は安田記念3着。マイルCS2着。安田記念では前年の王者らしく堂々と勝ちに行く競馬をしたものの、最後は
アーモンドアイに交わされ3着。マイルCSでは
グランアレグリアをピッタリとマークし、完ぺきな立ち回りをしたが、ゴール前で捕まってしまった。あの1戦を見る限り勝負付けは済んだとも判断できるが、ダービージョッキーのさらなる秘策があるのかどうかもレースの見どころのひとつだ。