来年の牝馬クラシック戦線を見据え多くの有力馬が集結した2歳女王決定戦。比較的上位人気勢が強いレースだが、今年は特に上位拮抗の様相を呈しており、難解な一戦となった。今回は様々なファクターを駆使して唯一無二の予想を展開する予想家・真田理氏に阪神ジュベナイルフィリーズを展望してもらった。
◆特化した能力を評価する
先週の阪神の芝はBコース初日で時計の速い、やや内の効く馬場状態でした。今週も内はやや効く馬場想定です。少なくともフラットぐらいの馬場で差し馬場までは悪化しないと見ています。阪神の外回りコースはコーナ角が緩めで広いコースで先週の馬場状態も含めた場合、特に枠順と脚質の有利不利は無さそうです(当日の馬場確認)。
2歳の牝馬チャンピオンを決める阪神JF。2歳は重賞キャリアが少なく、スローの上り勝負で勝ち上がってきた馬が多いため、統計データの再現性が低めと見ているレースです。そのため2歳重賞は統計データよりも映像から近走のレースで見せた部分的な強さや、気性面、骨格からの上積みや完成度の高い走りをする馬などを評価するようにしています。
【映像チェック項目】
骨格、走法、気性、レース内容で特化した能力を見せた馬を高評価にする。
□上記のやり方で浮上した過去の例
⇒デアリングタクトの桜花賞 ※3歳戦も引用(1着)…上りが特化して優秀だった。
⇒グランアレグリア朝日杯FS(3着)…走破タイムと走法から強さが見て取れた。
■今年の該当馬
⇒ナミュール
新馬戦の中京の上りが非凡(33.3秒⇒11.9-10.8-10.7)で前走も上り最速、余裕残しで楽勝した。走法的にマイルと外回りコースはこなします。個人的にはモノが違う可能性があると見ています。
【穴のアプローチ】
2歳重賞の穴は強さの下地がありながら、近走何らかの不利があり力を出せずに今回の人気上位馬に負けていた馬が人気薄になりやすく狙い目になりやすくなります。
□上記のやり方で浮上した過去の例
⇒ユーバーレーベン(去年の阪神JF3着 6人気)
同レース1着ソダシと近走接戦の実績があり能力的に差がない存在でしたが人気的にはノーマークになり狙い目になった。
■今年の該当馬
⇒ベルクレスタ
前走は結果的に仕掛けが遅れての2着で脚を若干余したように見えました。骨格、走法的に伸びしろがあり、能力的に上位と差はないと見ています。走法的にマイルと外回りコースはこなします。また先行力と溜める競馬も出来るため今回は脚を使いきる全力の競馬をするはずで前走よりも期待できる馬だと見ています。
その他
【人気薄で距離延長こなす走りの馬】
ナムラクレア
ナムラリコリス
※展開、馬場の利あればチャンスあり。
当日は上記の馬を中心に馬場状態と枠順、オッズを加味して最終調整致します。
(文=真田理)