春のマイル王決定戦へとつながる舞台であると同時に、昨秋のキャピタルSやリゲルS、年明けの京都金杯やニューイヤーSあたりを歩んできた馬が入り混じるレース。過去10年で1、2番人気馬併せて2勝、3着3回という数字が波乱含みであることを示している。とはいうものの、人気を予想するだけでも難しい。

　◎マルターズディオサはチューリップ賞の勝ち馬で、阪神ジュベナイルフィリーズ2着馬。以前は先行力を売りとしていたが、昨年春頃から脚質転換を図ってイメージチェンジ。ヴィクトリアマイルでは2着ランブリングアレーとは0.5秒差で、アイルランドT府中牝馬Sは、勝ったシャドウディーヴァから0.2秒差と追い込みが板についてきたようだ。450kg台の中型馬で別定重量56kgは楽ではないが、4勝中3勝をあげている得意な距離で新しい1面を見せてほしいものだ。

　〇“格”でいえば重賞2勝のファインルージュは最右翼の存在だ。秋華賞2着、桜花賞3着の実績はメンバー最右翼で、東京競馬場は未勝利戦を勝った舞台でもある。勝てばあっさりの実力馬だが、本当の意味での目標はもっと先にある休み明け。当日の気配に注目したい1頭だ。

　▲イルーシヴパンサーはスプリングS4着馬。2歳夏の新馬戦を1番人気で勝ち上がったもののなかなか2勝目が遠く、スプリングS4着のちの皐月賞は大敗。その後はマイル路線へと矛先を変えて最下級条件戦から3連勝を記録した。

　スタートのセンスが良く、操作性が高いからどんな位置からでも競馬ができる。前走などは少頭数の競馬だったが、しっかりと脚をため狭いところを割ってきた。格上げ初戦で休み明けというのはいかにも不利だが、勝てばニューヒーローの誕生だ。

　アーリントンカップに勝ち、阪神カップ2着△ホウオウアマゾンもまだ伸びしろがありそうで2022年マイル路線における注目馬の1頭。昨年の優勝馬△カラテは58kgを背負った前走も強かった。昨年の2着馬△カテドラルと、最後にそろそろマイルの流れに慣れてくる頃の△ヴェロックスにも注意が必要かもしれない。