「クイーンS・G3」(31日、札幌)
連覇への道はそこしかなかった。前を走る
ローザノワールと内ラチとのわずかなスペース。池添が迷わず誘導すると、
テルツェットが気迫で応える。Vロードを力強くこじ開け、最後は外から伸びた
サトノセシルに鼻差で競り勝った。
鞍上にとっては12年
アイムユアーズ以来10年ぶり4度目の制覇。「この馬は末脚がいいので、そこを引き出すことだけ考えていた。ゴールした瞬間はどっちか分からなかったけど、“差していてくれ”と思いながら戻ってきて、勝っていたのですごくうれしい」。内にこだわり、前が詰まる可能性もあった
リスキーな勝負だったが、手綱を任された仕事人は、最良の結果にホッとした表情を見せた。
和田郎師は「いつものことですが、きょうも
テンションが高かった。でもジョッキーが最短距離で、ギリギリあるかという進路を見つけてくれた。馬もよく応えてくれましたね」と、ジョッキーの好判断に感謝を述べた。
クラブの規定で来年3月が引退期限になるだけに、今後は『もうひと花』がテーマになる。「小柄な馬でも大きく見せるようになっています。3月までなので、どんな路線を選ぶのか。馬を見ながらオーナーとも相談になります」と、現段階で目指すべき道は明確ではないが、残された時間、最後の花道まで突き進むしかない。