今週デビュー予定のニシノコウダイ(写真奥、撮影:井内利彰)
今週から4回小倉開催がスタート。その初日に行われるのが、フェニックス賞(2歳オープン・芝1200m)だが、昨年のこのレースを勝ったのは、新馬3着から未勝利の身で格上挑戦したナムラクレア(栗東・長谷川浩大厩舎)。
その2着がテイエムスパーダ(栗東・五十嵐忠男厩舎)ということで、いずれも3歳になって古馬混合の重賞を勝ち、北九州記念(8月21日・小倉芝1200m)では、再び小倉での対決という場面も見られそう。
今年のフェニックス賞も未勝利で特別登録している馬が何頭かいるが、ここを勝って、大きな飛躍となる馬が現れるだろうか。
【8月13日(土) 小倉芝1200m】
◆メイショウヒュウガ(牡、父ダンカーク、母カネトシガーネット、栗東・安達昭夫厩舎)
半兄に阪神ダート1200mの未勝利を勝ったメイショウアマギ(父タイキシャトル)や阪神芝2000mの未勝利を勝ったメイショウサンガ(父ワークフォース)がおり、種牡馬の距離適性がその産駒に伝わっている母、という印象を受ける。
本馬は8月3日の坂路で古馬1勝Cのメイショウマントルに先行。レースでも騎乗予定の松山弘平騎手が跨っていたが、一杯に追ってくる相手に対して、楽な手応えで先着。4F52.4秒、2F24.5秒と全体も終いもしっかりした動きを見せている。
また、坂路での追い切りでは常に併せ馬で先着しており、スピード十分といった形でデビュー戦を迎えることができそう。
◆ニシノコウダイ(牡、父アメリカンペイトリオット、母セイウンエブリー、栗東・長谷川浩大厩舎)
母系にダートで3勝を挙げているテイエムマグマ(父メイショウボーラー)がいる血統。日本で活躍する父産駒は今年のスプリングSを勝ったビーアストニッシド(栗東・飯田雄三厩舎)や先週の桑園特別(札幌ダート1700m)を勝って、3勝目を挙げたクレスコジョケツ(栗東・木原一良厩舎)などがいる。
本馬は7月7日のゲート試験に合格すると、その後も在厩して調整。坂路、CW、芝馬場といろんな馬場を使って追い切りを進めており、その動きは週を追うごとに良くなっている印象。8月3日の芝馬場での新馬との併せ馬では、5F62.1秒と速い時計をマークしており、スピードがあるところも見せている。
【8月14日(日) 小倉芝1800m】
◆ヴェルテンベルク(牡、父キタサンブラック、母マルカアイチャン、栗東・宮本博厩舎)
祖母マルカコマチ(父サンデーサイレンス)は1999年京都牝馬S(京都芝1600m)で重賞制覇。祖母に半兄インターフラッグ(父ノーザンテースト)は1998年ステイヤーズSで重賞を制覇している。
本馬はゲート試験合格後に一旦放牧へ出て、7月になって栗東へ再入厩して、坂路で順調に追い切りを消化。
先週、8月3日はCWで新馬との併せ馬を行っているが、先行して先着するという動き。6F83.0秒、ラスト1Fは11.9秒と数字はそれなりに出ているが、まだまだ良くなってきそうな伸びしろも感じる。このひと追いを経て、もっと良くなってくるだろう。
【8月14日(日) 札幌芝1800m】
◆ヴェルデシチー(牡、父リオンディーズ、母プリンセスルーシー、栗東・佐々木晶三厩舎)
半兄ネッスンドルマ(父ダイワメジャー)は中京ダート1900mの未勝利戦を勝ち上がっており、同じく半姉ピュリフィアン(父ダイワメジャー)は札幌芝1200mで未勝利を勝ち上がった後、1勝クラスは勝ち上がれていないものの、差のない競馬は続けている。
本馬は7月1日のゲート試験合格後も栗東で在厩調整。7月14日にCWで6F84.1秒とある程度の時計を出してから札幌へ移動。先週3日はレースでも騎乗予定の藤岡佑介騎手が跨り、半マイル52秒台とスピードある動きを見せている。ちなみに、友駿ホースクラブと藤岡佑介騎手のコンビでの札幌デビューといえば、2009年に札幌2歳Sを勝ったサンディエゴシチー(父マンハッタンカフェ)がいる。
(取材・文:井内利彰)