◆第42回
ジャパンC・G1(11月27日、東京・芝2400メートル)
今週末のG1は第42回
ジャパンC(27日、東京)だ。外国馬4頭がスタンバイしており、日本馬との激突が楽しみな“競馬のW杯”。元サッカー担当の恩田諭記者は、日本馬を含め自身の気になる6頭を、カタールW杯の注目選手に例えて分かりやすくピックアップした。
4頭が来日している外国馬で最も注目しているのはフランスの3歳馬
オネスト。7月にパリロンシャン競馬場の芝2400メートルで行われたパリ大賞(稍重、6頭立て)では終始最後方を走りながらも
リラックス。可動域の広い、全身を使ったしなやかで、かつ力強い走りで一気に差し切った。まだ3歳ながらも、その抜群の
スピードは最高時速約45キロを計時すると言われるフランスの若きエース、FWエムバペをほうふつとさせる。サッカー界はメッシ、
ロナウドの2大スターの時代からエムバペの時代となりつつある。私が本命に推した凱旋門賞では10着に終わった
オネストが、府中の広い直線で強烈な末脚を繰り出し、今後の競馬界を引っ張る存在となるか。
そのパリ大賞で先行して2着と粘り強さを見せたのが同じくフランスの3歳馬、
シムカミル。コンパクトな馬体に映るが、走りのセンスは抜群。小柄ながら強じんなメンタルで華麗にゴールを陥れるフランス代表FW
グリーズマンのような
エレガントな走りは日本の高速馬場でこそ映えるか。初の国外という環境の変化への対応がカギだ。
昨年5着に続きJC参戦となる
グランドグローリーはバ
ルセロナ史上最高の移籍金で加入したフランス代表FWデンベレのように利き足を問わず、要所での落ち着きは目を見張る。
赤丸急上昇中はドイツの3歳馬
テュネス。昨年11月のラティボール公爵賞Vで頭角を現し、前走のバイエルン大賞でついに5連勝。ここ3走では2着との着差を6、8、10馬身と走るたびに広げている。昨年の凱旋門賞馬
トルカータータッソの半弟という血統も魅力だ。独ブンデスリーガで16歳1日でデビュー、16歳28日で得点と次々と最年少記録を打ち立て、ついにはドイツ代表のW杯メンバーに上り詰めたムココのように無限の可能性を秘めた「超新星」は一躍ブレイクする可能性を秘める。
迎え撃つ日本馬の筆頭格は
ダノンベルーガとみる。トップクラスの才能を備え、いつも直線の長い府中で先頭に迫る姿に能力の高さが垣間見える。天性の素質はア
ルゼンチン代表FW「神の子」メッシに姿がダブる。ここまでG1・3度挑戦で一度も頂点がないが、サッカー界のスターが手にしていないW杯への挑戦と同じようにこの馬もここで初のG1獲得なるか。
昨年のダービー馬
シャフリヤールは天皇賞・秋を叩いた形で上昇。日本のみならず、ドバイ(UAE)でもタイトルをつかみ、ブラジル代表FW
ネイマールのように「至宝」としての存在感を見せつける。
中東カタールでの開催で、サッカーW杯は史上初の11月開幕に。世界の祭典に負けじと、今年の
ジャパンCは
タレントぞろいでどの馬が頂点に立つか見ものだ。