「チャンピオンズC・G1」(12月4日、中京)
みやこS出走時の
サンライズホープの最終リハは、ほれぼれするほど迫力満点だった。それはいつものこと…と言われればそれまでだが、際立って良く見えたあの時は「なぜこの馬がこんな成績なのか?」と、改めて自問自答したほどだ。
レースを終えて、まさかの大外一気には驚かされたが、それと同時に「もまれなければこんな競馬ができるんだ」と、新境地を開拓した5歳馬に感心させられた。
母オーパスクイーンは、羽月師が手掛けたスペシャルウィーク産駒。米国色の濃い母系の影響か、現役時代は札幌と小倉のダート1700メートルで3勝を挙げた。「かなり大柄で、ス
トライドも大きく、
スピードよりも
パワーが勝っていました」と羽月師。もしや、ホープにそっくり?その質問には「はい、まさにコイツです」と愛馬を指さして笑った。
オーパスクイーンの子は全て羽月師の元で管理されてきたが、産駒は総じて「お母さんに似て、大柄でス
トライドが大きい。そしてひどく怖がり」なのだとか。きょうだいの中でも、ホープは500キロを優に超す巨漢。ウイークポイントであるもまれ弱さも受け継いだが、母譲りのダイナ
ミックなフォームを生かして重賞ウイナーまで上り詰めた。
血統面で注目すべきは、シアトルスルーの3×4クロス。77年に史上初めて無敗で米3冠を達成した名馬で、種牡馬としてもエーピーインディやタイキブリザード、ダンツシアトルらを輩出。自身の特徴である筋肉&骨量の多さを後世に伝え、クロスによってホープの母系に潜む才能を刺激したようだ。
もまれ込んで惨敗…なんてシーンも十分にあり得るが、前走の鬼脚は力がなければできない芸当。枠順や展開がかみ合えば…の思い。パワフルな米国の血にかけてみる手はある。