先週の当欄では阪神JFを考察したが、今週は12月18日に阪神競馬場、芝1600mで行われる2歳のGI、朝日杯フューチュリティSを考察してみたい。
特別登録の段階で19頭がエントリーしているが、気になるのはこれまでの実績。オープン勝ちが4頭しかいないということ。ちなみに2021年は15頭立てで6頭がオープン勝ちの実績があり、アイビーSを勝っていた
ドウデュース(栗東・友道康夫厩舎)が優勝している。なお、2着と3着もオープン勝ちの実績があった。
【12月17日(土) 阪神ダート1800m】
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テンカオーライ(牡、父
マインドユアビスケッツ、母トゥールエッフェル、栗東・松下武士厩舎)
おじに今年の都大路Sを勝った
シフルマン(父
ハービンジャー)がいて、母系には2012年阪神大賞典を勝った
ギュスターヴクライ(父ハーツクライ)がいる血統。2020年セレクトセール当歳にて、3200万円で落札されている。
母トゥールエッフェルは現役時代にダートで2勝を挙げているが、500万下(現1勝クラス)で2着した時に騎乗経験があった鮫島克駿騎手がレースで騎乗予定。12月7日のCWでの3頭併せでは川須栄彦騎手が騎乗したが、6F82.5秒で最先着を果たした。「やるたびに動きが良くなっていますし、楽しみですね」と松下武士調教師。
【12月18日(日) 阪神芝2000m】
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マイネルラウレア(牡、父
ゴールドシップ、母マイネボヌール、栗東・宮徹厩舎)
半兄に同じ宮徹厩舎で管理され、アルゼンチン共和国杯2着など重賞連対実績がある
マイネルウィルトス(父スクリーンヒーロー)がいる。母マイネボヌール、祖母コスモフォーチュンも宮厩舎で管理されていたので、厩舎ゆかりの血統といってよいだろう。
本馬は11月4日にゲート試験を合格した後も栗東に在厩して調整。11月30日のCWでは6F81.3秒、3F36.8秒、1F11.5秒と素晴らしい時計をマークした。12月7日のCWは2週前追い切りほどではないにせよ、6F82.3秒。古馬2勝クラスを追走して、楽な手応えで先着した動きが素晴らしい。兄は遅咲きの印象があるが、新馬戦は勝ち馬とタイム差なしの3着。素質の高さは見せていた。この馬も同様だと思うし、兄ができなかったデビュー勝ちを期待したい。鞍上は横山武史騎手が予定されている。
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アズライトムーン(牝、父
サトノダイヤモンド、母アズールムーン、栗東・池添学厩舎)
母系に今年の小倉大賞典で重賞を制した
アリーヴォ(父
ドゥラメンテ)や今年のサウジダービーで3着した
コンシリエーレ(父
ドレフォン)がいる血統。
本馬は9月22日に栗東でゲート試験を合格。その後はノーザンFしがらきへ放牧に出て、栗東へ戻ってきたのが11月23日。そこから順調に追い切りを重ねて、12月7日のCWでは古馬2勝クラスを追走して、きっちり追いつく動き。6Fは84.4秒と目立った時計ではないものの、半マイル52.2秒、ラストは11.7秒と伸びている。なお、鞍上はD.イーガン騎手が予定されている。
【12月18日(日) 中京芝1400m】
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ダノンプレジャー(牡、父
ロードカナロア、母スピニングワイルドキャット、栗東・安田隆行厩舎)
安田隆行厩舎で管理され、高松宮記念、香港スプリントといった国内外のス
プリントGIを制した
ダノンスマッシュの全弟。そういった注目される血統だけに、安田隆行調教師の評価もなかなか辛い。
12月7日にCWで新馬と併せて、相手が追いつくことができずにこちらが先着。大外を回りながら、6F82.0秒という時計は新馬として決して悪くない。それでも「ラストが12.3秒。これが11秒台なら、といった感じですよね」と同師。やはり求めるものが大きいからこその厳しい評価になっているような気がする。ただ「入厩当初よりは追い切りを積んだことでしっかりしてきましたし、ここまで順調というのはいいですよね」とのこと。兄は新潟芝1400mでデビューして2着だったが、この馬は果たして。
(取材・文:井内利彰)