僚馬に追いつき、交わしにかかるエフフォーリア(右)(カメラ・荒牧 徹)
◆京都記念追い切り(8日、美浦トレセン)
第116回京都記念・G2(12日、阪神)の最終追い切りが8日、行われた。美浦では一昨年の年度代表馬
エフフォーリアがWコースでの併せ馬で追走先着。注目の2頭の23年初戦へ向けた動きを、松末守司記者が「見た」。
復権を目指す
エフフォーリアが、確実に上昇カーブを描いてきた。
追い切りは、主戦の横山武を背に、Wコースで
マイネルミュトス(7歳3勝クラス)との併せ馬。テンからメリハリのある動きで5馬身追走から手応え良く直線に向くと、鞍上が手綱を抱えたままでスッと反応。5ハロン68秒3(6ハロン83秒3)―12秒0で楽に2馬身突き放した。ゴール板を過ぎてもペースを緩めず、もう1ハロンを
スピード感たっぷりに駆け抜けた姿に、「復活」の2文字がはっきり見て取れた。
陣営も反撃へ手応えを感じ取っている。鹿戸調教師が「持ったままで動けていたし、迫力のある走りをしていた。前走よりいいと思っている」と話せば、鞍上も「ハッキング(軽めのキャンター)から素軽さが違います。半年ぶりを叩いて不必要な部分がそがれた感じがする。追い切りでも前進気勢が徐々に出始めていて復調の気配はあります」と変身を認める。
やや太く映った昨年の春2戦とは見違えるほど馬体が引き締まり、
シルエットもすっきりと見せる。トレーナーも「火曜の時点で馬体重は前走と同じ。少し数字は減るかな。でも数字以上に体は締まってきたよ」と話したように、昨年と違う姿がそこにあった。
5着と復調の兆しを見せた有馬記念から中6週。以前は競馬を使ったダメージが大きく、続けて使えなかったが、「前走後にすぐに牧場でも乗り出せた。続けて使えることは今までとは違う」とトレーナー。昨年の始動は4月の大阪杯だった。このローテーション自体、状態の良さを物語る。
きょう9日に栗東に移動。金、土曜の2日間、坂路で乗ってレース当日の朝に栗東から競馬場入りする“疑似関東圏”を演出し、昨春2戦で敗れた阪神への対策を練る。「当日輸送の方がピリッとする。やれることはやりたい」と鹿戸師。復活のムードは高まってきた。(松末 守司)