◆第83回桜花賞・G1(4月9日、阪神競馬場・芝1600メートル)枠順決定
牝馬クラシック初戦の第83回桜花賞・G1(9日、阪神)の枠順が6日、決まった。
キタサンブラック産駒の
コナコーストは好枠の9番。父にとっても、父も管理していた清水久調教師にとっても初となる牝馬クラシック戴冠(たいかん)を目指す。
G1を7勝した
キタサンブラックの娘、
コナコーストが、桜花賞に駒を進めてきた。10年
アパパネ、20年
デアリングタクトと過去に2頭の3冠牝馬を輩出した9番枠を引き当て「いいところですね。この枠なら自分の競馬ができると思います。今週の動きも良かったので楽しみです」と清水久調教師は力を込めた。
父も管理していた清水久師が期待を寄せる“秘蔵っ子”。「落ち着いていて、ドンと構えている。
キタサンブラックもそうでした」と面影も感じている。父は初年度産駒から年度代表馬、
イクイノックスを輩出。今年も桜花賞に2頭送り込むなどクラシック戦線で産駒の活躍も期待される。「本当にすごい種牡馬になりましたね。芝、ダート、長距離もマイルでもオール
マイティー。ブラックは自分のいいところだけでなく、母の良さも引き出せるからこれだけの活躍をしているのでしょう」と活躍に目を細める。
もちろん、
コナコーストもひけを取らない。前走のチューリップ賞は、逃げた
モズメイメイに鼻差の2着。あと1完歩あればという内容で、重賞級の能力は示した。5日の最終追いは栗東・坂路で53秒2―11秒9を馬なりでマーク。手綱を執った鮫島駿も「先週は物足りなかったけど、今週は自分の体感よりも時計が出ていた」と良化を感じ取っている。
清水久師は98年、浜田光正厩舎の調教助手当時に
ファレノプシスで桜花賞を制覇。「栗東トレセンに入って、1年たたないのに勝たせてもらいました。桜花賞ってレース名は響きがいいですよね。牝馬らしくて」と思い入れのあるレースでもある。あくまでも本格化は先とみるが、いつ父の血が騒いでも不思議はない。父の産駒初のクラシック制覇、師にとっては初の牝馬クラシック制覇へ「エンジンのかかりは遅いけど、直線が長いコースは合っていますから」と期待を込めて送り出す。(山下 優)