アーリントンCに出走予定のショーモン(撮影:山中博喜)
3着馬までにNHKマイルカップへの優先出走権が付与されるレースで桜花賞と同じBコース使用の阪神マイル戦。将来性ももちろん大事だが、時期的にはキャリアも同程度考慮したい。現行条件となった2018年以降の5年間の勝ち馬はすべて重賞競走出走経験馬。完成度が問われるレースかもしれない。
◎ショーモンはデイリー杯2歳S3着馬。前走1勝クラス平場戦は馬体重22kg増で楽に先行し、最後の直線で1度は追い比べでプッシュオンに突き放されたもののゴール前でこれを交わして2勝目を挙げた。この時マークした1分33秒3は優秀だ。昨秋のデイリー杯2歳Sの時も、最後の直線で見た目の手応え以上にしぶとく伸びており、優れた勝負根性を垣間見せた。先行力と、追われてからの渋太さが武器だ。祖母は英G1チェヴァリーパークS優勝馬で英1000ギニー、愛1000ギニーともに4着という名マイラー。先週から仮柵を設けたBコースが使用されていることも、この馬に味方してくれそうだ。
〇オオバンブルマイは京王杯2歳S優勝馬。巧みにインで脚をため、残り200m付近で外に持ち出されると鋭く伸びた。出遅れて後方からの競馬を余儀なくされた前走も最後は差を詰めており距離延長にめどを立てている。小柄な馬だが、それでも一戦毎に体重を増やしているのも好感だ。母ピンクガーベラがビアンフェの半姉だから血統的にも筋が通っており出走メンバー中、唯一の重賞勝ち馬として恥ずかしい競馬はしたくない。
▲トーホウガレオンはシンザン記念3着馬。好スタートから、やや力みながらの追走だったが、最後までジリジリと伸びており将来性を感じさせる一戦だった。母はディープインパクト系と相性が良いことで知られるアンブライドルズソング系で新潟直線1000mコース2勝のスピード馬。リアルスティールの初年度産駒となる本馬は、5戦1勝という見た目の成績以上に中身は濃い。強いメンバーと戦ってきたキャリアを生かしたいところだ。
△ユリーシャはエルフィンS優勝馬。桜花賞は賞金不足で除外という憂き目にあったが、桜花賞2着コナコースト相手に堂々と逃げ切り勝ちを収めている。注目が高まっているグレーターロンドン産駒で、オークス馬シャダイアイバーにさかのぼる母系も優秀。同型馬との兼ね合いもポイントになりそうだが、自分の競馬ができれば侮れない存在になりそうだ。
△ランスオブサウンドは君子蘭賞2着馬。全日本2歳優駿馬サウンドスカイの半妹でまだ奥がありそう。前走は逃げて2着だったが、デビュー戦は味のある競馬だった。最後にキャリア不足は承知でシュネルマイスターの半弟ナヴォーナの名前を挙げておきたい。