米国競馬の祭典「第149回ケンタッキーダービー」は日本時間、7日朝にゲートイン。各地区の前哨戦の勝ち馬が注目される中、負けたメンバーは本番で逆転のチャンスをうかがう。UAEダービーの勝利で米国行きの道を切り開いた日本馬
デルマソトガケが偉業に挑む。大井の
マンダリンヒーローは補欠から繰り上がりで出走へ。さあ、大舞台にたどり着いた20頭のガチンコ勝負。「スポーツの中で最も偉大な2分間」と称されるビッグイ
ベントを楽しもう。JRAは6日午前7時から馬券を発売する。
UAEダービーの内容が非常に良く、現地入りしてからの調教でも抜群の動きを見せている
デルマソトガケに、大きな期待を寄せているが、ここだけは運を天に任せるしかなかった枠順抽選で、恵まれない外枠を引いてしまった。前走がUAEダービーという優勝馬は1頭もいないという前例を粉砕してほしいと願う一方、先行したい馬にとっては非常に厳しい枠で、重い印は打ちづらくなった。
過去20年で5頭のケンタッキーダービー勝ち馬を送り出し、本番と最も相性の良い前哨戦となっているのがガルフ
ストリームパーク競馬場を舞台としたフロリダダービーだ。今年の同競走を制したのが、昨年の全米2歳牡馬チャンピオン・
フォルテである。4つのG1を含めて重賞5連勝中という実績は、今年の米国3歳世代では明らかに最上位で、この馬が中心とみる。前走が消耗の激しい競馬で、その後の調教が軽いのがいささか気がかりだが、ここは能力の高さを信頼したい。
有力馬の多くが中団以降から差す競馬を得意とする中、先行力がある
キングズバーンズを2番手に取った。昨年の2着馬エピセンター、一昨年の1、2着馬
マンダルーン、
ホットロッドチャーリーの前走がいずれもフェアグラウンズ競馬場のルイジアナダービーで、前哨戦という面での最新トレンドとなっている同競走を、3馬身半差で快勝し、無敗の3連勝を飾った同馬。6番という好枠を引いたことで、自分の競馬ができる見通しが立ったと見ている。 (競馬評論家・合田直弘)
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チャーチルダウンズ競馬場 中東部ケンタッキー州ルイビルにある米国競馬の聖地。開場当日の1875年5月17日に第1回ケンタッキーダービーとケンタッキーオークスが行われた。ダートコース(1周1600メートル)の内側にある芝コース(1周1400メートル)は1985年に増設。ダート2000メートルのスタート地点はスタンド前の直線入り口に設けられ、1コーナーまで450メートルあるが多頭数の外枠は不利とされる。スターティングゲートが導入された1930年以降、勝率と連対率は5番ゲート、複勝率は10番ゲートがトップ。17番ゲートは唯一、未勝利となっている。コーナーがきつく極力、減速しないで回れるかが鍵。4コーナーを回ってからゴールまで直線380メートルで差しは利きづらい。
▽ルイビルの天気と馬場 当日、ケンタッキー州ルイビルは曇り、降水確率10%の予報、予想最高気温25度。この時季は雨が多く、天気が変わりやすいが良馬場の見込み。砂100%の日本のダートと違い、粘土が混ざった米国のダートは乾いていると硬く、芝並みの時計が出やすい。昨年は大外スタートの
リッチストライクがイン強襲で差し切ったが基本は先行有利だ。73年ケンタッキーダービーでセクレ
タリアトがマークした1分59秒40がコースレコード。