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【日本ダービー】社台ファーム躍進の裏にあった山元トレセン ソールオリエンスの2冠後押し

2023年05月24日 06:00

 高低差のある山元トレセン坂路での調教の様子。左は周回コース

 「日本ダービー・G1」(28日、東京)

 2冠制覇を目指すソールオリエンスなど、昨今のG1において目覚ましい戦果を挙げている社台ファーム。その躍進の裏には東北地区における競走馬の中継基地であり、育成拠点となっている山元トレーニングセンター(宮城県山元町)がある。活躍馬を次々と送り出す同トレセンの秘密を探るべく、上水司場長(49)に話を聞いた。

 今、社台ファームがアツい。かつてはトップを走っていた名門牧場も、19年〜21年はJRA・G1未勝利と大苦戦。しかし、春2冠牝馬スターズオンアースや菊花賞馬アスクビクターモアが登場した22年から追い風が吹いている。

 23年に入ってもいい流れは続く。皐月賞をソールオリエンスで制し、NHKマイルCもシャンパンカラーがV。その快進撃を支えているのが、外厩である山元トレーニングセンター(通称・山元トレセン)だ。社台ファームは何が変わったのか-。東北の拠点をまとめる上水場長はこう答える。

 「いろいろ取り組んできたことが、やっと形になってきた感じですね。(牧場の)コース改修もありますが、スタッフもスキルアップして育ってきています。一頭一頭に対するみんなの情報共有も進めてきました。それらの形が段々とできつつありますね」

 山元トレセンは92年に開場し、11年の東日本大震災で被災するも復興。20年3月に坂路コースの改修工事を行い、翌21年には周回コースにも着手した。坂路コースを全長740メートルから900メートルに延長し、高低差も27メートル→33メートルにアップ。これらのリニューアルにより、調教効果が格段に高まった。場所によって傾斜があった周回コースもほぼ平たんに。いずれのコースも、以前まで使っていたポリトラックからウッドチップに変更した。

 同場長は「一頭一頭、個性が違うのでこれという正解はないのですが、良くなった周回コースをうまく使えるようになりましたね。角馬場も作り、調教の幅が広がりました」と語る。また、北海道千歳市の社台ファームも15年と19年に調教コースを改修して、坂路をダートからウッドチップに替えている。

 牧場一体となった創意工夫が結果に結びつき、22年は2歳戦から好調だった。中でも22年出会った一頭の2歳馬には、並々ならぬ素質を感じていたという。「デビューに向けて調整を進めていた昨秋、現場から報告がありました。『これはモノが違いますよ』と」。その逸材こそが3戦無敗で皐月賞を制したソールオリエンスだった。

 同馬は皐月賞V後も短期放牧(4月19日〜5月4日)で体調を整えた。「京成杯の直後よりテンションは少し高かったのですが、すぐに落ち着きを取り戻し、カイバも良く食べてくれました。2週間とはいえ、うまくケアして高いレベルを維持するイメージで送り出せたと思っています」と胸を張る。

 社台ファーム生産馬のダービー制覇となれば、10年エイシンフラッシュ以来13年ぶりになる。「手塚先生から“今までで一番いい”と言ってもらえたように、馬はさらに成長しています。社台ファームを背負って頑張ってほしいし、もちろん期待しています」。23年5月28日は、社台ファームが高らかに凱歌を上げる日になる。

 ◆上水司(うえみず・つかさ) 1973年10月19日、北海道出身。実家は89年ダービー3着馬サーペンアップなどを輩出した登別上水牧場。92年、社台ファームに入社し、99年に山元トレセンへ。牧場ではデュランダルやネオユニヴァースといった名馬たちの調教をつけていた。2021年、同トレセン場長に就任。

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