きょうは「パーフェクトの日」 “ミスパーフェクト”ダイワスカーレットの蹄跡を振り返る

2023年08月21日 17:30

08年の有馬記念を制したダイワスカーレット(撮影:下野雄規)

 8月21日は「パーフェクトの日」。今から53年前のきょう、プロボウラーの中山律子選手が府中スターレーンで開催されたプロ月例会の優勝決定戦で、女子プロボウラー初のパーフェクトゲームを達成したことから制定された。一般社団法人・日本記念日協会にも掲載されている。

 競馬で“パーフェクト”といえば、ウマ娘のゲーム内で“ミスパーフェクト”の二つ名を持つダイワスカーレットが思い当たる。12戦8勝、2着4回。生涯で連対を外したことが無く、完璧に近い成績を残した。本稿では彼女の蹄跡を振り返ってみたい。

 父アグネスタキオン、母スカーレットブーケ、母の父ノーザンテーストという血統。名マイラーにして名種牡馬となったダイワメジャーが兄にいる。そのほかにも一族を見渡せば芝、ダート問わず重賞勝ち馬が多数。粉うことなき、良血馬の一頭だ。

 本馬を語るうえで避けて通れないのがウオッカの存在。牝馬として64年ぶりのダービー制覇を達成する同馬とは、生涯5度の対決を経て好敵手といわれる存在になる。初顔合わせとなったチューリップ賞から始まり、桜花賞や秋華賞、有馬記念…そして、最後の激突となった天皇賞(秋)まで何度も好勝負を演じ、ダイワスカーレットが3度先着。2頭は牝馬の筆頭格から、世代の中心──最後は日本競馬をけん引する存在へと昇華していった。

 中でも08年の天皇賞(秋)は今でも語り草となっている一戦。このレースでは、前年にGI・3勝を挙げた本馬と、安田記念を制して復活果たしたウオッカ、後輩ダービー馬ディープスカイがゴール前で死闘を演じた。一度はウオッカ、ディープスカイが前に出たかに思えたが、驚異的な粘りと根性でダイワスカーレットが差し返し、最後は写真判定となる大接戦。結果は“2cm”ともいわれる僅かな差でウオッカが勝利したが、両者のライバル関係を改めて印象付ける名レースとなる。

 ウオッカのリベンジを許したダイワスカーレットだったが、続く有馬記念では再び白星を飾った。8枠13番と決して恵まれた枠順ではなかったが、二の脚鋭く先手を奪うと、11秒台の厳しいラップを並べて他馬を翻弄。4コーナーで後続が一気に差を詰めたが逆に突き放し、ゴールの2、3完歩手前で鞍上が勝ちを確信するほどの大楽勝を見せた。牝馬のグランプリ制覇は37年ぶり4頭目の快挙。翌春に屈腱炎を発症し、結果的にこれがラストランとなったが、“ミスパーフェクト”の名に相応しい完璧なレースを披露したのだった。

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