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決戦前、藤沢和師が武豊にかけたひと言

2023年08月25日 05:00

<05年インターナショナルS>エレクトロキューショニスト(左)との叩き合いの末、2着に敗れた武豊・ゼンノロブロイ(AP)

 【競馬人生劇場・平松さとし】現地時間23日(日本時間同深夜)、英国ヨーク競馬場でインターナショナルS(G1)が行われモスターダフが優勝した。

 欧州の夏の中距離No.1決定戦となるこのレースに、05年に挑んだのがゼンノロブロイ(美浦・藤沢和雄厩舎)だった。同馬は前年、天皇賞(秋)→ジャパンC→有馬記念という秋のチャンピオンロードをスイープ。藤沢和師が若い頃に「馬の全てを学んだ」という英国へ、恩返しの意味を込めて渡った。

 そんな藤沢和師と騎乗する武豊騎手は偶然、同じ列車で、決戦の地であるヨーク競馬場へ向かうことになった。これがゼンノロブロイに初めての騎乗となる武豊に向かい、伯楽がどんなアドバイスを送るのか?と気になったが、師が言ったのはひと言だけだった。

 「頼むな……」

 後に真意を聞くと、次のように言った。

 「馬は仕上がっているし、特に癖もなくておとなしい。となれば、日本のNo.1ジョッキーに余計な事を言うのはプロゴルファーに向かって“ティーが高いですよ”と言うようなもの。かえって失礼でしょう」

 手綱を取った天才騎手は実際に「大丈夫かな?と思うくらいおとなしかった」と後に語っている。

 さて、その武豊はというと、事前に出走各馬のレースぶりをチェックしていた。今ほど簡単に外国のレースが見られる時代ではなかったが、手を尽くし、イタリアを主戦場にしていた1頭以外の馬は全て見ていたのだ。そして、レース前には「最後、競り合いになれば(ムチの使用制限による)騎乗停止は覚悟で追いますよ」と語っていた。

 いざレースではそんな決意が現実となった。最後は叩き合いとなり、武豊はムチの使用過多で騎乗停止処分。しかし、そのおかげで3着馬を頭差で抑え、勝ち馬と首差の2着に健闘した。ちなみに勝ったのはエレクトロキューショニスト。武豊が事前にチェックできなかった唯一の馬だった。(フリーライター)

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