2億1000万円で落札されたフライトライン産駒のタングリトナの2024(提供:日本競走馬協会)
「セレクトセール2024」が8日と9日の2日間、北海道苫小牧市のノーザンホースパークで開催された。売上は1日目の1歳セッションが144億9700万円(税抜、以下同じ)で、従来の最高額だった昨年の133億6500万円を更新するレコード。2日目の当歳セッションは144億2100万円で、昨年の147億8000万円には届かなかったものの、2日間の総額は289億1800万円で過去最高となった。
購買者を見ると、トップバイヤーは(株)ダノックスだった。1歳セッションで4頭を計12億円、当歳セッションでも同じく4頭を計8億1500万円で落札し、2日間で総額20億1500万円。また、「ウマ娘」の藤田晋氏は2日間で計11頭、18億4000万円を購買した。
種牡馬別では実績十分のキタサンブラックとエピファネイアの産駒が人気を集めた。一方で1歳世代がファーストクロップとなる「未来のリーディングサイアーの本命」コントレイルの産駒は13頭が1億円以上、さらに当歳世代が初年度となるフライトライン(Flightline)の産駒は3頭中2頭が2億円以上となった。前者が「安定感」なら、後者は「未知の魅力」が購買意欲を掻き立てたのだろう。
セレクトセールではマスコミの報道の影響もあって、このように高額馬、いわゆる大物オーナー、そしてトップサイアーの産駒に注目が集まる。一方でセレクト出身の活躍馬を見ると、必ずしも高額馬が走っているわけではなく、安い価格帯から、未来の活躍馬を探し出した関係者にも同等の拍手を送りたい。例えばウシュバテソーロは2500万円、タイトルホルダーは2000万円、古い話になるがジャスタウェイは1200万円だった。ファンの皆さんも「どの馬がお値打ちだったか」という視点で上場馬の動画、カタログ写真を見直してみてはいかがだろうか。