95年天皇賞(春)を制したライスシャワー(C)netkeiba
「黒い刺客」として多くのファンに愛されたライスシャワー。彼のGI制覇はミホノブルボンの三冠を阻止した菊花賞、メジロマックイーンの3連覇を阻んだ天皇賞(春)の印象が強いかもしれない。しかしながら2年ぶり、そして結果的に最後のGI制覇となった95年の天皇賞(春)も忘れられない一戦だ。ちょうど30年前の激闘を振り返る。
4歳時に菊花賞、5歳時に天皇賞(春)を制したライスシャワー。しかし、その後は勝利から遠ざかっていた。6歳時の天皇賞(春)は骨折で出走できず。復帰戦の有馬記念では3着に健闘したが、7歳を迎えて京都記念、日経賞はともに1番人気で6着。長いトンネルから脱出できないまま、2年ぶりの天皇賞(春)に挑むこととなった。
メンバー中唯一のGI馬として迎えた一戦、ライスシャワーは単勝5.8倍の4番人気に推された。道中は中団馬群の前寄りを追走。さすがはベテラン、折り合いはぴったりだ。レースが動いたのは2周目の向正面だった。行く気を見せたライスシャワーに対し、的場均騎手は無理に抑えることなく先頭へ。そのまま気分良く坂を下って直線に向かう。残り200mでは3馬身ほどのリード。これは楽勝か。そう思った瞬間、大外からステージチャンプが強襲。最後は内外大きく広がっての大接戦となったが、僅かに鼻差、ライスシャワーが先にゴールを駆け抜けていた。
2年前の天皇賞(春)以来、実に728日ぶりの勝利で3つ目のGIタイトルを獲得。3000m以上のJRA・GIを3勝はメジロマックイーンに次いで史上2頭目、そして現在も歴代最多タイの記録だ。残念ながら続く宝塚記念で故障し、この世を去ることとなったが、その雄姿は多くのファンの脳裏に刻まれている。