トウシンマカオで京王杯SCを制し喜ぶ横山武(撮影・佐々木彰尚)
 
 「京王杯SC・G2」(3日、東京)
 衝撃の数字にスタンドが揺れた-。緑一色のターフを弾むように駆け抜け、2番人気の
トウシンマカオが昨年の
セントウルS以来となる5つ目のタイトルを獲得。22年から4年連続のJRA重賞勝利を決めるとともに、自身が記録した勝ち時計は、何と“1分18秒3”。19年に
タワーオブロンドンが記録したコースレコードを1秒1更新し、02年NSTオープンで
マグナーテンが記録したJRAレコードを0秒7上回る快挙を成し遂げた。
 馬群が途切れた中団のど真ん中に陣取り、鞍上との折り合いはピタリ。直線で外に持ち出し、ラスト1Fで
ゴーサインが出されると、放たれた矢のようにビュンと加速。G1馬
ママコチャを一瞬にして抜き去った。
 適距離とは言えない千四も、不得手な左回りも関係なし。
ガッツポーズで喜びを爆発させた横山武は「道中の折り合いが重要になると思っていましたが、想像以上にうまくいきました。高松宮記念を使ってから、陣営もすごく大事に調整してくださった。それが生きたかなと思います」と感謝の思いを口にした。
 高柳瑞師は先週の青葉賞(
エネルジコ)に続く2週連続の重賞制覇。「右に張る面は少しありましたが、ジョッキーがうまく乗ってくれました」と殊勲の鞍上をたたえ、優先出走権を得た安田記念には「使いません。秋に備えます」とキッパリ。この後は連覇が懸かる
セントウルS(9月7日・阪神)からスプリンターズS(9月28日・中山)が青写真。首差2着だった昨年の雪辱を果たすべく、悲願のG1奪取へ向けて爪を研ぐ。