ダービー(6月1日、東京)へ向けた東上最終便で劇的な“勝ち越し”だ。「第73回京都新聞杯」が10日、京都競馬場で行われ、5番人気
ショウヘイが2番手から抜け出して重賞初制覇。賞金加算に成功し、世代の頂上決戦への“切符”を手にした。ダービー3勝(16年
マカヒキ、18年
ワグネリアン、22年
ドウデュース)を誇る名門・友道厩舎から新たなスター候補が大舞台に羽ばたく。
ドジャース・大谷翔平を連想させる馬名。本家が大活躍したこの日、競馬界の
ショウヘイも躍動した。川田を背に2番手追走から直線で抜け出すと、2馬身半差の快勝。重賞初制覇に導いた鞍上はレース後、管理する友道師とがっちり握手。「何より今回ちゃんと勝てたこと、状態を戻してくれたこと、走り切ってくれたことをありがたく思います」と感謝の言葉を伝えた。
前半1000メートルは1分3秒3のスローペース。
ナグルファルの直後で折り合うと、直線は鞍上の
ゴーサインに応えて抜け出した。上がり3F33秒8はメンバー最速タイ。後続を寄せ付けずに振り切った。鞍上は「具合さえ戻れば能力の高い馬ですから。とてもいい状態で競馬場に来ることができましたし、これでダービーへの道がつながりました」との大一番を見据えた。
管理する友道師は当レース3勝目。この日、身に着けたエルメスのネクタイはブルーのカラー。そこにはバット、
グローブ、ボールが描かれていた。「野球のネクタイをしてきたんだ」と満面の笑み。レースについては「あのポジションでも落ち着いていましたね。調教の動きも良かったしジョッキーも自信を持って乗ってくれました」と評価した。
前走後は走りの
バランスを改善。一息入れてダービーを目指すローテを選択した。指揮官は「体重(2キロ減)は減っていたけどフレームは大きく見せ、
バランスも良くなった」。立て直したことが結果につながった。
海の向こうで大谷翔平はレース発走の少し前にシーズン12本目の本塁打を打ち、本塁打ランキングでリーグトップタイに躍り出た。偶然とはいえ、
ショウヘイの好走はほほ笑ましい。ダービー3勝を誇る友道厩舎が遅れてきた大物を得意舞台へ送り出し、晴れ舞台でも豪快なホームランを放つ。
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ショウヘイ 父
サートゥルナーリア 母オーロトラジェ(母の父
オルフェーヴル)22年3月15日生まれ 牡3歳 栗東・友道厩舎所属 馬主・石川達絵氏 生産者・北海道安平町のノーザン
ファーム 戦績4戦2勝(重賞初勝利) 総獲得賞金6934万2000円 馬名の由来は人名より。