「デイリー盃大井記念・S1」(21日、大井)
年度代表馬の意地だ-。3番人気の
ライトウォーリアがまんまと逃げ切り、2分4秒4の好タイムで昨年4月の川崎記念以来の重賞Vを決めた。猛追した断トツ人気の
キングストンボーイは3/4馬身届かなかった。上位2頭には「第48回帝王賞・Jpn1」(7月2日・大井)への優先出走権が与えられた。3着には6番人気の
オピニオンリーダー。なお、勝ち馬の関係者には永井英次デイリースポーツ常務取締役から表彰状と副賞が贈られた。
昨年4月の川崎記念以来、久しぶりに
ライトウォーリアの真骨頂の粘り腰が発揮された。
出遅れて競馬にならなかった前走の教訓から、スタートには最大限の注意を払った。初コンビのクアトロへ、内田勝師は「行けたら行った方がいい」とアド
バイスした。
その通り、絶好の(1)番枠からスッと主導権を奪うと、競りかけてくるラ
イバルもなく、終始マイペースの逃げ。3角過ぎで大本命馬・
キングストンボーイが馬なりで襲いかかってくると、2頭が並んで最後の直線へ。いったんは外からかわされたが、そこからが本領だった。この日は内めが伸びる馬場だったとは言え、盛り返して逆に3/4馬身差で振り切った。
4月から通算4度目の短期免許で南関東で騎乗しているクアトロにとっては、これが日本での重賞初制覇となった。「ありがとうございます」と日本語であいさつすると、「日本で重賞を勝ちたくて何回も何回も
トライしてきたけど、勝ててとてもうれしい。乗せてくれた関係者の皆さんに感謝です」と飛びっきりの笑顔。「いいペースで逃げられたし、
キングストンボーイが来て不安だったけど、まだ余力があった。大丈夫だと思っていた」と勝利の余韻を楽しんだ。
内田勝師にとっても溜飲の下がる勝利だった。「前走は出遅れて競馬にならなかったからね。きょうはうまく流れにも乗れたね」と満足そう。昨年の川崎記念で
グランブリッジを筆頭にJRA勢を封じ込めた粘り腰の再現だった。「上がりを確認してから、オーナーと相談して」とトレーナーは慎重だが、次は昨年6着に敗れた帝王賞でのリベンジが待っている。まだまだ南関トップの座は譲れない。そんな雄たけびが大井の夜空に響いた。