【大いに気になる】チャンスをものにした。大井のルーキー杉山海波(みなみ、19＝岡野)が19日大井2Rのルーシーノワールでデビュー初勝利を飾った。急きょの乗り替わりだったが「勝てて良かった。厩務員さんや先生の話を聞いて、しっかり対応できた。機会をもらえたことに感謝したい」と振り返った。

　静岡県出身、13歳で御殿場市の富士ファームに住み込んで騎手を目指した。普段から大切にしているのが日々の調教。大井競馬の開催日でも午前2時から8時半まで休むことなく最大20頭の調教をこなす。「レースだけでなく、厩務員さんや調教師の方とチーム一丸となってつくり上げていくものだと思っている。勝ち馬をつくるのはもちろん、爪一個分でもいいから前へという気持ちでやっている」。ランプロン(牡5＝赤嶺本)はデビュー前、大井で研修していた騎手候補生時代から携わってきた一頭。「最初はうまく乗れなくて全く駄目だった。でも、半年間乗せていただいて徐々に乗れるようになってきた」。デビュー後はレースも任された。2戦してともに3着。人気以上の結果を残した。ハードな毎日にも「楽しいと思えています」と目を輝かせた。

　デビュー前の会見で目標を聞かれ「日本一、調教のできる騎手になる」と答えた杉山。調教にこだわり続け、存在感を放っていく。　(大沢　太久)