6月29日(日)に函館競馬場で行われる函館記念(3歳上・GIII・芝2000m)。当地の名物重賞は、開催日割りの変更により、今年からサマー2000シリーズの幕開けを飾る。青森県産の星ハヤテノフクノスケ、重賞で2戦連続好走中のマコトヴェリーキーなど、夏競馬のハンデ重賞らしい実力拮抗で難解なメンバーが顔を揃えた。本稿では同レースの開催にあたり、歴代勝ち時計をランキング形式で紹介する。
■5位 1分58秒7 2021年 トーセンスーリヤ
大井競馬でデビューを迎え、地方で3戦したのち、中央競馬に転入。通算27戦目にしてようやくOP入りを果たすと、昇級初戦の新潟大賞典を10番人気で制し初タイトルを手にする。その後は善戦するものの、なかなか勝ち星が遠かったが、21年の函館記念でふたたびチャンス到来。初芝のカフェファラオが1番人気に推される混戦模様の中、2番人気で出走したトーセンスーリヤは、競り合う前2頭を見る3番手から運ぶ。直線入口で早くも先頭に立つと、そのまま3馬身差の圧勝を飾った。
■3位タイ 1分58秒6 1986年 ニッポーテイオー
新馬勝ちのあと、5戦連続で敗れたが、NZT4歳Sで初タイトルを獲得すると本格化。続くラジオたんぱ賞は2着に終わったものの、2番人気で出走した函館記念では、自らハナに立ってレースを引っ張ると、1000m通過57.9秒のハイペースで後続を翻弄し2馬身差で勝利した。その後、87年の天皇賞(秋)、マイルCS、88年の安田記念を制したほか、宝塚記念でも2年連続で連対するなど距離不問の活躍を見せた。87年のJRA賞最優秀4歳以上牡馬、最優秀スプリンターにも選ばれている。
■3位タイ 1分58秒6 2013年 トウケイヘイロー
13年春の武庫川Sを制してOP入りを果たし、続くダービー卿CTで早くも初タイトルを獲得。京王杯SCは直線で伸びを欠いて8着に沈んだが、陣営は中距離に矛先を向け、鳴尾記念で重賞2勝目を飾る。函館記念はトップハンデタイの57.5kgを背負って3番人気で出走し、1000m通過58.8秒のラップを刻むと、アンコイルド以下に1.3/4馬身差を付ける完勝。その後、函館で代替開催となった札幌記念を6馬身差で制し重賞3連勝を飾ると、暮れには香港C(香G1)でも2着と見せ場をつくった。
■2位 1分58秒5 2010年 マイネルスターリー
デビューから芝中距離戦を使われて力を付け、09年夏から3連勝を飾って本格化の兆し。だが、その後は1番人気に支持された中京記念を含め、5着、8着、4着、4着と歯がゆい競馬。待望の初タイトルを目指し、函館記念には2番人気で出走した。D.ホワイト騎手を背に中団で運んだマイネルスターリーは3、4コーナー中間で外から一気にマクりきると、直線では勢いが鈍るどころかますます増していく。後方から追った1番人気のジャミールは、3馬身半差まで詰めるのが精いっぱいだった。
■1位 1分57秒8 1988年 サッカーボーイ
今年の函館競馬はレコード決着が頻発しているが、そのたび話題に挙がるのが88年の超高速決着。主役となるサッカーボーイは阪神3歳Sを制したが、翌春はいずれも1番人気に支持されながら、弥生賞3着、NHK杯3着、日本ダービー15着と悔しい競馬が続いた。だが、中日スポーツ賞4歳Sでひさびさの白星を飾ると、返す刀で函館記念に参戦。完全復活を果たした素質馬の勢いは誰にも止められず、レース史上唯一の1分57秒台で駆け抜け、5馬身差の圧勝を飾ってみせた。