「レパードS・G3」(10日、新潟)
厩舎期待の良血が満を持してダートに初挑戦する。春までは芝の王道を歩んできた
ヴィンセンシオが皐月賞9着後、出走も可能だったダービーを自重し、じっくりと態勢を整えてきた。
2歳時は新馬勝ちを果たし、続く葉牡丹賞は2歳コースレコードで連勝。年明け初戦の弥生賞ディープ記念でも2着に入るなど、早くから非凡な才能を示していた。それでも重賞タイトルにはあと一歩届かず、陣営は今後の戦いへ向けて思い切った決断を下した。
管理する森一師は「調教でのダートコースの走りを見る限り、適性はあると思っています」と路線変更の理由に言及。「何よりデビュー前からダートという選択肢は頭の中にありました。同じ父(
リアルスティール)の
フォーエバーヤングがあれだけ走っていましたからね」と、世界を股にかけて活躍する1歳上の偉大な先輩に姿を重ねる。
高い潜在能力を持つ一方で、精神面には幼さを残す。競走中にエキサイトし過ぎてしまうところがあり、鞍上が度々手を焼くシーンもあった。師は「この馬の課題はメンタル面ですので、気持ちが高ぶり過ぎることを考慮して、追い切りも併せ馬ではなく単走。それでも1週前としては全体的に上々の時計が出ましたので、レースに向けては十分な仕上がりになると思います」と成長と確かな手応えを感じている。
祖母は名牝
シーザリオとあって、この世に生を受けた瞬間から将来を嘱望されてきた一頭。春のクラシックで結果を残すことはできなかったが、ダートという新たなステージで改めて同世代のラ
イバルに存在感を示す。