昨年の桜花賞馬の
ステレンボッシュ(牝4、美浦・国枝栄厩舎)が、札幌記念(3歳上・GII・芝2000m)で重賞2勝目を狙う。池添謙一騎手との新コンビで復活があるのか。何はともあれ、この機会に札幌記念を制した3頭の桜花賞馬の走りを振り返りたい。
まずは02年の
テイエムオーシャンだ。3歳時(現年齢表記2歳)に阪神3歳牝馬S、3歳時に桜花賞と秋華賞を制し、2年連続でJRA賞に選出されたGI・3勝馬。ここは前年の有馬記念で6着に敗れて以来となる4歳初戦だったが、ファンは
コイントスに次ぐ単勝オッズ5.1倍の2番人気に支持した。レースでは好位から力強く抜け出し、同年秋にマイルCSを制することとなる
トウカイポイントに1馬身半差の完勝。自身初となる牡馬相手の重賞タイトルを獲得した。
続いては14年の
ハープスターだ。同年の桜花賞を制し、オークスで2着。ここは秋に予定されている凱旋門賞に向けての
ステップレースだった。爪の不安で状態がひと息と噂されていたものの、同じく仏遠征を控える
ゴールドシップとの一騎打ちを制覇。3着の
ホエールキャプチャは2頭から5馬身も離されていた。このレースは札幌記念史に残る名勝負として語り継がれていくはずだ。
最後は21年の
ソダシである。前年の阪神JF、同年の桜花賞を無敗で制覇。ただ、前走のオークスでは8着に敗れたため、ここは距離を縮めての一戦だった。道中は番手で運び、残り800mで
ブラストワンピースが迫ってくると、譲ることなく先頭へ。そのまま脚色は鈍ることなく、
ラヴズオンリーユーの追い上げを3/4馬身凌いでゴール。白毛のアイドルの美しく力強い走りに、札幌競馬場のスタンドから大きな歓声が上がったのだった。