キーンランドC2025に出走予定のフィオライア(24年8月撮影、ユーザー提供:やまさん)
12年ぶりのJRA重賞制覇なるか。(株)友駿ホースクラブが所有する
フィオライア(牝4、栗東・西園正都厩舎)が、キーンランドカップ(3歳上・GIII・芝1200m)でタイトル奪取を目指す。
フィオライアは父
ファインニードル、母フルールシチー、母の父サクラバクシンオーの血統。父が18年の高松宮記念とスプリンターズSの覇者なら、母の父は93年と94年のスプリンターズSの勝ち馬。さらにオープンまで出世した母の全5勝も芝1200mだから、典型的なス
プリント配合といえる。
ここまで10戦5勝。デビューから一貫して芝1200mを使われてきた。4走前に巌流島Sを制してオープン入り。その後の米子城S、函館スプリントSでは敗北を喫したが、前走のUHB賞でガラリ一変。マイペースの逃げから粘りに粘ると、5着までタイム差なしという大接戦を制し、オープン初勝利を手にした。今回は函館スプリントSに続いて2回目の重賞参戦。それだけに力関係がカギだが、楽しみなチャレンジといえる。
馬主の(株)友駿ホースクラブは68年に日本最初の会員制愛馬会法人として開業した老舗中の老舗。これまでに86年の阪神3歳S覇者の
ゴールドシチー、03年の
ジャパンCと04年の宝塚記念を制したタップダンスシチー、ダートでGIとJpnIを9勝した
エスポワールシチーなど、“シチー軍団”として幾多の名馬を送り出してきた。しかし、20年以降は1ケタの勝利数と寂しい成績が続く。ここで勝てば、クラブにとっては13年
マーチSの
グランドシチー以来、12年ぶりのJRA重賞制覇。ぜひとも出資者を喜ばせる走りを期待したい。