不況でリストラが相次いでいた2003年頃、
ハルウララが「負け組の星」として注目を浴びた。ブームは次第に
ワイドショーを中心に加速。競馬は勝ってこそのスポーツではある一方、あの時代は就職や日々の生活に辛い思いをしている人も多かったことから「勇気づけられる」と人気になった。
その
ハルウララが記録した113連敗を更新したとして最近話題になったのは、佐賀の
パドマーワト。現在119連敗中である(2025年8月9日時点)。
では、対照的に連勝街道を歩んだ馬では、佐賀にどんな馬がいるのか。目を引くのはチアズファンシーだ。社台
ファーム生産で、母の父ノーザンテーストという血統。荒尾と佐賀に跨ってデビュー以来無敗の19連勝を果たした。これは当時の日本記録で、その中には1993年中島記念(ファン選抜レース)も含まれていた。
連勝は8ながら、強いレースを見せたのは
リンデンニシキ。現在の佐賀記念JpnIIIにあたる1996年開設記念で水の浮く不良馬場の中、好スタートを決めて先手を取ると、2着
グリーンサンダーを4分の3馬身退けて勝った。
グリーンサンダーは翌年、佐賀記念を勝っており、その点からも殊勲の勝利だったと言えるだろう。
こうした強い馬たちが再び佐賀競馬から誕生することに期待が寄せられる。現在、重賞戦線で強さを発揮しているのは
ビキニボーイ。前走・吉野ヶ里記念はレース直前の大雨で、パドックに出ていた調教師たちはびしょ濡れで、東眞市調教師もワイシャツが透けるほどで苦笑していたが、鋭い末脚を発揮しての重賞制覇にレース後は笑みがこぼれた。同馬は1400mから2000mの重賞まで勝つなどオール
マイティな馬。また重賞レースに登場すれば楽しみな1頭だ。
さて、佐賀競馬では9月4日にサマーチャンピオンを開催予定。昨年は地元の金山昇馬騎手騎乗でハンデ60kgの
ラプタスが先頭で直線を迎えたところ、兵庫の
アラジンバローズが差し切るという熱い展開だった。今年も真夏の短距離ハンデ重賞をぜひお楽しみください。
(文・大恵陽子)
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