サマーマイルシリーズの第3戦「第73回中京記念」。昨年までは7月下旬に行われることが多かったが、今年は開催日割の変更に伴い8月中旬に行われる。中京競馬場芝1600mコースは、1〜2角の奥に設けられているポケットからスタートするワンターンコース。向正面の中ほどまでは緩やかな上り坂で、その後は直線入り口まで一気に下ったあとは急坂が待ち構える難コース。長く良い脚というよりも坂を上がってからの瞬発力が求められることも多い舞台だ。
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マピュースは桜花賞4着。NHKマイルCは7着とはいえ、勝った馬から0.5秒差なら悪くないが、1分31秒台の走破タイムはこの馬にとっては少々速すぎたイメージだ。ダッシュ力のある馬ではないが、しっかりと折り合えば、最後は確実に伸びるので少頭数競馬は向いている。中京競馬場は初めてでも、新潟マイルで新馬戦に勝ち、東京マイルの赤松賞を勝ってクイーンCは
エンブロイダリーの2着。左回りのマイル戦は慣れている。別定重量52kgも味方してくれるだろう。
〇
エルトンバローズは一昨年の毎日王冠優勝馬で、昨秋のマイルCS2着。この時は大外枠からうまく中団で流れに乗り、最後まで良く伸びたが4角で大外をまわらざるを得ない並びとなったのは痛かった。今回は骨折明けだが、気の良いタイプで休み明けは[1-0-1-1]と馬場に苦しめられた1戦以外は能力を発揮している。大目標は秋だろうが、そこに向かうためにも恥ずかしい競馬は出来ない。
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キープカルムはしらさぎS優勝馬。半マイル通過47.2秒というスローの流れを後方インで待機し、最後はなかなかの瞬発力を披露して狭いところを割って出た。前々走のダービー卿CTは2歳時以来の重賞挑戦で、最後まで進路を確保できずに苦労したが、前が開いてからの脚には見どころがあった。マイル戦で大きく崩れたのは重馬場で行われた東風Sのみ。決め手勝負になれば怖い1頭だ。
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エコロヴァルツは大阪杯4着。3角手前で立ち上がる不利があった安田記念は0.5秒差7着で2歳時には朝日杯FS2着もある。未だ重賞タイトルに恵まれていないのが不思議なくらいだが、能力は高い。
中京競馬場で行われた京都金杯2着のち東京新聞杯に勝つなど末脚に磨きがかかっている△
ウォーターリヒトも抑えておきたい1頭だ。