08年の新潟記念を制したアルコセニョーラ(08年8月撮影、ユーザー提供:ショウナンナンバーさん)
新潟記念はハンデ戦にしては大波乱が少ないレースだ。そんな中、たった一度だけ3連単が7桁配当となったのが08年。16番人気の
アルコセニョーラが勝った一戦を振り返る。
この年の新潟記念は松田博資厩舎×川田将雅騎手のタッグとなる
ダイシングロウが単勝2.9倍の抜けた1番人気に支持されていた。前走の小倉記念は
ドリームジャーニーの2着。今度こそ重賞初制覇が期待されていた。しかしながらレース途中から気分良く逃げる形となり、直線でバッタリ。まさかの最下位18着に沈んでしまう。かわって直線では差し馬の末脚比べとなった。馬群の内から
トウショウシロッコと
ミストラルクルーズ、真ん中から
マイネルキッツが脚を伸ばす。そして、その外から素晴らしい切れを発揮したのが武士沢友治騎手に導かれた
アルコセニョーラだった。尻尾を振りながら馬場の外目を突き抜けて、最後は2着の
マイネルキッツに2馬身差をつけてゴール。52kgの軽量を味方につけて、前年の福島記念に続く2つ目のタイトルをつかみ取った。
2着は2番人気の
マイネルキッツだったものの、3着には14番人気の
トウショウシロッコが突っ込んだ。3連複の11万9080円、3連単の102万8690円は、ともにレース史上最高配当。夏の越後路を彩る名物重賞は、実にハンデ戦らしい決着となったのだった。