和田翼騎手ラストライドは9着 川田のアンダーシャツを着用して騎乗「何回も涙は我慢しました」 今後は競馬界を離れて活動へ

2025年08月30日 15:19

 ラストライドを終えた和田翼(下段中央)と記念撮影に収まるジョッキー

 9月3日付で現役を引退する和田翼騎手(31)=栗東・谷=が30日、ラストライドを終えた。中京7Rで22年11月から所属する谷厩舎の7番人気シゲルオトヒメに騎乗して10頭立ての9着。直線で外に出して最後方から懸命のステッキで前を追った。残念ながら届かなかったが、無事に現役生活を締めくくった。

 この日、プロテクターの下に着ていたのは川田のアンダーシャツ。「将雅さんに『これ、着ろよ』と言われて」と、17年に行われたファンの集いでドッキリを仕掛けられるなど、ファンの間では“因縁の間柄”としても知られている先輩に託されたアンダーシャツを着用して臨んだ。

 13年の騎手人生を振り返り、「長かったようでアッという間。一瞬でした。いろんな方の支えがあって、一緒に乗ってきたジョッキーとたくさんのレースで戦えて良かったです。そのレースにはたくさんの人の支えがありましたし、たくさんの馬のおかげでもあります」と感謝。「何回も涙は我慢しました。これまで経験してきたことは一生、人生を終えるまで残り続けることだと思いますし、この経験を生かして次のステップで考えたいです」と明るい表情で汗を拭った。

 今後は競馬界を離れてさまざまな事業を展開する予定。「これからは(この世界の)外に出ますが、競馬が盛り上がることをできればうれしいですね」と展望を語った。近年は「二回死ぬことができるなら-運命の再構築」、「現代の家族が描く子育て〜親が共に歩み未来へ〜」など自らが執筆した著書を出版するなど活動の幅を広げており、事業の一つとして執筆活動は続けていく意向だ。

 また、叔父の和田竜もこの日、ラスト騎乗の応援にスーツ姿で現れた。おいの最後の雄姿を見届け、「僕の背中を追ってこの世界に入ってきたと聞いているので、感慨深いものがあります。ケガして思うようにいかず、本人的にも悔しい思いがあると思います。ただ、馬のこと以外にもすごく勉強していますし、まだ若いですからね。こういう経験を生かして仕事すると思いますし、家族なのでどんな状況でも応援します」とエールを送った。

  ◇  ◇

 和田翼(わだ・つばさ) 1994年5月30日、滋賀県生まれ。祖父が厩務員、叔父に和田竜二騎手、いとこに和田陽希騎手がいる競馬一家に育った。栗東・河内厩舎から岩崎翼として13年3月2日のヤマニンプチタルトでデビュー(3着)。初勝利は同年5月19日、ティボリハーモニーだった。5年目にキャリアハイとなる28勝を挙げたものの、そこから年々勝ち星が減り、昨年、今年は未勝利。20年に旧姓の使用取りやめを申請し、和田姓を使用。22年秋から栗東・谷厩舎に所属。JRA通算3279戦123勝。

新着ニュース

ニュースを探す

ご意見・ご要望

本サービスはより高機能なサービスの提供なども検討しております。お気づきの点がございましたらお気軽に下記フォームよりご意見をお願いいたします。

  • ご意見をご記入ください。

頂いたご意見には必ずスタッフが目を通します。個々のご意見に回答できかねますことを予めご了承ください。
また、連続して複数送信されると、受付できないことがあります。予めご了承ください。