エポカドーロやラッキーライラック、ウシュバテソーロやマルシュロレーヌなど、オルフェーヴルはあらゆるフィールドの活躍馬を輩出し、種牡馬として確固たる地位を築いている。そんな彼の産駒の重賞初制覇は、8年前の札幌2歳S。ロックディスタウンが制した一戦を振り返る。

　ロックディスタウンは父オルフェーヴル、母ストレイキャット、母の父Storm Catの血統。父の初年度産駒であり、叔父にはGI・3勝のゼンノロブロイがいる良血だった。2歳8月に新潟芝1800mでデビュー。単勝1.9倍の1番人気に応え、後にホープフルSを制するタイムフライヤーに3/4馬身差の完勝を収めると、初タイトルを目指して札幌に向かった。

　デビュー戦に続いて1番人気に推された一戦、ロックディスタウンは勝負強さを見せた。道中は中団の外目で運び、勝負所でジワッと進出。直線半ばで早め先頭のファストアプローチに並びかけると難なく競り落とし、先頭でゴールを駆け抜けた。C.ルメール騎手のそつのない手綱捌きも味方につけて、無傷の2連勝で重賞ウイナーの仲間入り。そして父に初タイトルを届けたのだった。

　さらなる飛躍が期待されたロックディスタウンだったが、その後は激しい気性が災いし、4戦連続で9着以下。同期のラッキーライラックの陰に隠れる形となり、不完全燃焼での繁殖入りとなった。これまでにJRAで走った産駒は、現3歳で1勝クラスのレベルスルールのみ。ただ、1歳には父エピファネイアの牝馬、そして当歳には父イクイノックスの牡馬が控えている。この2頭が母を超える活躍を見せてくれることを願いたい。