競馬は今週末も「中山・阪神」での2場開催。
平地重賞は日曜日にふたつ。中山競馬場でGII・オールカマー(芝2200m)、そして阪神競馬場で菊花賞
トライアルGII・神戸新聞杯(芝2400m)が行われる。
どちらも先のGI戦に向けての大事な前哨戦。今週はこのうち中山のオールカマーをピックアップ。過去10年データを使って馬券ヒントを探っていこう。
1.上位人気勢の成績は?
いつものように、まずは上位人気馬のチェックから。
オールカマーでは過去10年、1番人気馬は3勝。勝っているのは16年
ゴールドアクター、18年
レイデオロ、そして昨年24年
レーベンスティール。いずれも関東馬。うち2頭はルメール騎手鞍上だった。成績は[3-3-0-4]。一方、19年
レイデオロ、20年
ミッキースワロー、21年
レイパパレ、22年
デアリングタクトは1番人気を背負いながら馬券圏外に負けている。連対率60パーセントなので、成績としてはまずまずだろう。
ちなみに2番人気馬成績は[1-1-1-7]、3番人気馬成績は[1-3-3-3]。馬券圏内キープ率としては3番人気馬が70パーセントと好成績になっている。
2.7番人気までで馬券は決まる?
上位3番人気以内馬の成績はまずまず良いことはわかった。
次いで中位4〜7番人気馬もかなり馬券圏内に食い込んでいるのがオールカマーだ。特に15年〜23年までの馬券圏内は「すべて7番人気馬以内」で占められていた。
このデータをもって、昨年このコラムでも「上位7番人気馬中心」というキーワードを出したが、その途端に1番人気は勝利しているが2、3着には10番人気・12番人気が絡むという結果となってしまった。
今年はどちらに転ぶかの分岐点。しかし11頭立てになりそうなので、今までのように「上位人気勢7番人気以内」で占められるのかも…。
3.枠順に有利不利なしは中山芝2200mの特徴?
中山芝2200m戦といえば、先週のセントライト記念と同じ距離コース。セントライト記念の傾向としては「枠順による有利不利はさほどなし。やや内枠優勢」という感じだが、まさにオールカマーも大体同じような傾向となる。
まずは1着馬に関しては、過去10年1〜8枠すべての枠から勝ち馬が出ている。数ある重賞のなかでも極めてレアなケースといえる。
一方、馬券圏内30頭をトータルで見ると、やや内枠勢が優勢となる。外枠になるほど馬券圏内が少なくなっているという感じだ。なかでも1枠1番の最内馬はかなり活躍しており、過去10年で[1-4-0-5]と半分の年で連対している。今年も1枠1番の馬はチェックしておきたい。
4.関東馬が強いレース?
オールカマーは関東馬が好走しているレース。過去10年すべての年で関東馬が上位3着以内に必ず絡んでいる。21年は上位3頭すべて関東馬で独占している。馬券圏内30頭の内訳としては関東馬17頭・関西馬13頭となっている。
5.再好走傾向は強い?
オールカマーの開催距離は中山の芝2200m。
いわゆる非根幹距離で、しかもト
リッキーな特殊コース感がある。そのせいか能力ある馬でも取りこぼすこともあるし、人気薄でもこのコースが得意な馬は一気浮上もあるわけだ。
特に07年から09年までこのレースを3連覇したマツリダゴッホは、完全にお得意のコース。しかも同馬は同じコース距離のGII・AJCC、さらには有馬記念も勝っているいわゆる中山巧者だった。
過去20年を見れば、ほかにも
ドリームジャーニー、
トウショウシロッコ、
ウインキートスなどが複数年に渡ってオールカマーでは複数回馬券圏内になっている。さらに同じコース距離のセントライト記念、AJCCを加えれば、中山芝2200m戦で複数回好走している馬というのはかなり多い。昨年勝利した
レーベンスティールも前年のセントライト記念で勝っていた馬。今年もこのコースで好走経験ある馬には注意しておきたい。
6.時計は2分11秒台目安?
最後に馬場状態と時計の傾向について。
オールカマーは過去10年、良馬場開催が9回で稍重開催が1回。開幕から間もない良い芝状態での良馬場開催がほとんどだ。
時計としては、2分11秒台が10回中5回。もっとも時計が速かったのが18年で2分11秒2。もっとも遅かったのが稍重20年の2分15秒5。例年どおり良馬場開催ならば11秒台目安のレースになりそうだ。