手入れを受けるルガル=栗東トレセン(撮影・石湯恒介)
「スプリンターズS・G1」(28日、中山)
昨年の覇者
ルガルが復権へ向けて視界良好だ。1年前は骨折明けで6カ月のブランクがあったにもかかわらず、G1初制覇を達成。その後は国内外でなかなか結果を出すことができてないが、調整過程は昨年と比べれば順調そのもの。実力は証明済みだけに、きっちり態勢さえ整えれば連覇の可能性は十分ある。
再び頂点の座をつかみ取ってみせる。昨年のスプリンターズSを制した
ルガルが、連覇へ向けて静かに牙を研いでいる。
昨年は骨折休養明けの不安をものともせず、ハイペースのなかで流れに乗ると、直線もしっかり脚を使って快勝。初の中山コースにも難なく対応して堂々のG1初制覇を飾った。杉山晴師は「スタートが決まったことは大きかったですね。展開的にも速い馬がいて、その後ろで理想的な競馬ができました。ジョッキーもうまく乗ってくれましたし、うまくかみ合ったと思います」と振り返った。
その後は香港スプリントで11着に敗れ、高松宮記念では7着、チェアマンズスプリントプライズでは5着。G1馬としてやや物足りなさはあるが、いずれもハイレベルな舞台で一線級を相手に戦ってきた。杉山晴師は「調整に関しては至って順調です。昨年は半信半疑での休み明けでしたが、それに比べると今回は順調度が明らかに上です」と説明。勝った昨年よりも不安なく大一番を迎えられそうだ。
18日の1週前追い切りでは川田を背に栗東坂路で併せ馬を行い、
パドマ(4歳3勝クラス)を目標に馬なりのまま先着。4F51秒0-36秒7-11秒9をマークした。指揮官は「馬の後ろで折り合いを確認して最後で動くだけという感じでした。ジョッキーは香港以来2回目ですけど、変にムキにならずに行きっぱなしという感じはなかった。いい印象を持ってもらい、良かったと思います」と目を細めた。態勢さえ整えば連覇への道はぐっと開けてくる。